内容説明
★ネイティブにも不可解な英語の世界
辞典編纂者・語学教師としての長年の言語体験をもとに、教育の対象となってしまった言葉が孕む問題の数々をユーモラスに綴ったエッセイ。
*アポリア:一般的には、解決できない難問をさす。一つの問いに二つの相反した合理的解答のあること。
<目次より>
●英語の不通(インド英語の体験)
●英語の問題(英語と非英語の境界の英語)
●束縛される英語(英語の「正しさ」とは?)
●ネイティブの問題(インド人の問題ある英語翻訳の実例)
●教育の問題(『オネーギン』を英語「で」読む)
●英語の喧嘩(帆足理一郎の「立派な英語」はどのように立派か)
●子供の英語
●試験の英語(第二言語テスティング論、センター試験の問題、TOEIC(R)等検定試験の問題の問題)
●機械の英語(AI 翻訳の驚異的向上は何を意味するのか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サアベドラ
31
著者は日本在住のアメリカ人の教育者、翻訳者、辞書編纂者。英語について、言語学習について、日本における英語教育についてなどを語った短いエッセイ17本を収録。2022年刊。世界中で様々なバックグラウンドを持つ人々が様々な目的で用いている英語は当然ながら「一つ」ではない。ブリテン諸島の西ゲルマン人の一言語からもはや得体の知れないクラーケンのようになったなにかをペーパー試験で画一的に測ろうとしたらどうしても歪みが発生する。少し考えてみれば当たり前のことだが、日本の英語教育者や教育論者はどこまで自覚してるのだろう。2022/11/29
kenitirokikuti
10
図書館にて。研究社、2022年。著者は80年代に来日して40年あまりを日本で暮らし、『新和英大辞典 第5版』編集委員も務めている▲「先日はありがとうございました」日本語ではありふれたあいさつだが、英語でこれを言われると、なぜ数日後に謝礼を?と感じるそうな。もちろん、ことばのやりとりには文化的な文脈がある、と徐々に理解が深まったそうであるが▲我々はジャパングリッシュを拙いものと恥じるが、米国出身の英語母語者で日本以外の非英語母語地域で暮らした著者にとっては「英語って何?」との思いが強いそうな。2025/03/30
五月雨ザバレタ
1
イントネーションの問題や、英語自体の問題など言葉ってめっちゃむずいなって思った。最終的にはネイティブに発音を確認しなきゃわからないし、何なら英語が世界各国で散らばりすぎて何が正しい英語なのかも難しい問題だと。私ののぞみは蝶ネクタイに声吹き込んだら英語が喋れている江戸川コナン式。コナンいくもん!2024/10/17
ユウ
0
「英語の問題は英語そのものにある」という話。アメリカンネイティブ自身が、日本語で執筆した文章が実に読みやすく、言語学者でもある著者の機械の英語や試験の英語、無用な英語の主張が具体例や実体験に基づいて書かれていて、読みやすく面白かった。昨今は実用的なコミュニケーションにおける会話力が重視されているが、外国の文学を原文で読み、文化や著者の心理を味わいたいと思った。2023/05/03
ukitama
0
語学学習における課題を中立に分析(著者なりの結論はありそうだが、ここでは安易に披露はしていない)。課題を深く掘れば掘るほど、迷い込むという感じです。安易に結論を書く「How to 本」の軽薄さがわかる一冊でした。ゴア(インド)の言語事情は、英語教育の子供の早い時期の導入を考える上で、他山の石とすべきことかも知れない。ブッシュ大統領のスピーチの解説は参考になりました。中国人が中国語学習者に「発音がきれい」というのは、共通したおせじであり、広い中国で発音がいかにバラバラかを知る指針でしょう。2023/02/12
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