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内容説明
2022年2月24日、ロシアがウクライナに侵攻し、第二次世界大戦以降最大規模の戦争が始まった。国際世論の非難を浴びながらも、かたくなに「特別軍事作戦」を続けるプーチン、国内にとどまりNATO諸国の支援を受けて徹底抗戦を続けるゼレンシキー。そもそもこの戦争はなぜ始まり、戦場では一体何が起きているのか? 数多くのメディアに出演し、抜群の人気と信頼を誇る軍事研究者が、世界を一変させた歴史的事件の全貌を伝える待望の書き下ろし。
目次
地図
略語表
はじめに
「世界の終わり」を待っていた場所で
舞い戻ってきた大戦争
本書の問いと構成
一当事者としての視点
若干の補足
第1章 2021年春の軍事的危機 2021年1月~5月
1 バイデン政権成立後の米露関係
集結するロシア軍
あっけない幕切れ
トランプ退場に神経を尖らせるロシア
牽制は効いたか?
ウクライナ・ゲート
ナヴァリヌィ・ファクター
2 ゼレンシキー政権との関係
コメディアンvsスパイ
シュタインマイヤー方式をめぐって
窮地に立たされるゼレンシキー
メドヴェチュークの政界復帰
ゼレンシキーの焦り
第2章 開戦前夜 2021年9月~2022年2月21日
1 終わり、そして続き
ロシア軍の再集結
高まる緊張
米国の「情報攻勢」とロシアの「外交攻勢」
2 プーチンの野望
グラデーション状の勢力圏
「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について」
歴史、主権、「パートナーシップ」
プーチン論文をどう読むか
3 整った侵攻準備
公開情報が暴くロシア軍の動き
ベラルーシが前線基地に
非核と中立も放棄
4 プーチンのジェットコースター
迷う二人の筆者
プーチンの「ハラショー」
「虐殺」発言と膨れあがるロシア軍
針の筵に座らされるラヴロフ
パワハラ会議
第3章 「特別軍事作戦」 2022年2月24日~7月
1 失敗した短期決戦の目論見
斬首作戦
ロシアが張り巡らせた秘密ネットワーク
「特別軍事作戦」とは何なのか
逃げ出す内通者たち
高慢と偏見
「死ななかった」ゼレンシキー
2 ウクライナの抵抗
持ち堪えるウクライナ軍
「聖ジャヴェリン」の加護の下で
ウクライナの「三位一体」
全力を出せないロシア軍
3 撤退と停戦
ロシア軍のキーウ撤退
会議は踊る
西側の大規模軍事援助
振り出しに戻った停戦交渉
ブチャ
4 東部をめぐる攻防
ロシアによる核の威嚇
「武器が足りない!」
マリウポリの陥落とルハンシクの完全制圧
ロシア軍の成功要因
第4章 転機を迎える第二次ロシア・ウクライナ戦争 2022年8月~
1 綻びるロシアの戦争指導
軍への不信を強めるプーチン
将軍たちの失脚
情報機関との軋轢
2 ウクライナの巻き返し
HIMARSがもたらしたロシアの攻勢限界
ウクライナが与えられるものと与えられないもの
主導権はついにウクライナへ
3 動員をめぐって
「我々はまだ何一つ本気を出していない」
プーチンの「ヴァイ……」
ロシアの動員態勢
総動員は本当にできるのか
それでも総動員を発令できないプーチン
部分動員へ
4 核使用の可能性
核兵器の使用という賭け
エスカレーション抑止は機能するか
核のメッセージング
効かなかった非核エスカレーション抑止
第5章 この戦争をどう理解するか
1 新しい戦争?
テクノロジーが変えるもの、変えないもの
EnablerとEnabled
ハイブリッド戦争──「戦場の外部」をめぐる戦い
ロシアの「ハイブリッドな戦争」とウクライナの「ハイブリッド戦争」
2 ロシアの軍事理論から見た今次戦争
「新型戦争」
「新世代戦争」
プーチン少年の破れた夢
限定全体戦争?
3 プーチンの主張を検証する
ウクライナは「ネオナチ国家」か
根拠の薄い大量破壊兵器開発説
ロシアはなぜ北欧を攻撃しないのか
プーチンの野望説とその限界
おわりに
「古い戦争」としての第二次ロシア・ウクライナ戦争
逃れられない核の呪縛
主体的な議論の必要性
あとがき──小さな名前のために
参考文献
感想・レビュー
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