内容説明
可憐な姿のそのひとは、哭女として今日も葬儀で涙を流す――。中国唐代、神都随一と噂される“哭女”の泪飛は葬式に引っ張りだこ。涙をもって故人の功績を称え謳われることが家の格を表すため、いい家柄の葬儀では優秀な哭女が雇われるのだ。しかし泪飛は妹弟を養うため、性を偽り「哭女」として葬儀で泣くことを職にしたのだった。身分を偽りながら様々な事件や謎に立ち向かう泪飛の思春期の苦悩と成長、そして年上の貴族青年・青蘭との奇跡のような関係を描く、歴史青春ミステリー小説。
目次
胡服麗人
鴛鴦の契
閻羅王
両頭蛇
探花宴
終章
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
31
中国・武則の天時代の都・神都随一の哭女とされ、葬式に引っ張りだこだった泪飛。人に明かせない秘密を抱える泪飛が年上の青年貴族・青蘭と出会う中華ミステリ。いい家柄の葬儀で涙をもって故人の功績を称え謳い、身分を偽りながら幼い妹弟を養っている泪飛こと燕飛と、友人の死の真相を探る青蘭の出会い。彼に関わることで巻き込まれる笑わなくなった少年への対処、義賊に誘拐されたり、狄仁傑の友人の死の真相調査、連続殺人事件。様々な事件に遭遇する過程で彼の背景や焦燥も明らかになって、燕飛の夢を応援するその友情が印象に残る物語でした。2022/11/16
みや
2
☆☆☆☆2023/05/28