集英社文庫<br> ベーシックインカムの祈り

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集英社文庫
ベーシックインカムの祈り

  • 著者名:井上真偽【著】
  • 価格 ¥638(本体¥580)
  • 集英社(2022/12発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087444452

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内容説明

豪雪地帯に取り残された家族。春が来て救出されるが、父親だけが奇妙な遺体となっていた(「存在しないゼロ」)。妻が突然失踪した。夫は理由を探るため、妻がハマっていたVRの怪談の世界に飛び込む(「もう一度、君と」)。全国民に最低限の生活ができるお金を支給する政策・ベーシックインカム。お金目的の犯罪は減ると主張する教授の金庫から現金が盗まれて――(「ベーシックインカムの祈り」)。AI、VR、人間強化、遺伝子改良人間、ベーシックインカム…。近未来に実現可能な技術を描きつつ、ミステリーの醍醐味を存分に感じさせてくれる全5編。これは予言ミステリーだ!

目次

言の葉の子ら
存在しないゼロ
もう一度、君と
目に見えない愛情
ベーシックインカムの祈り

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まこみん

72
SFとミステリーの融合。SFと言っても全くの空想的世界ではなく、おそらくあり得そうな近未来なので、違和感なく楽しめる。ラストに思わぬどんでん返しもあって、やっぱりミステリーだとドキドキしたり。「言の葉の子ら」AIの発展的考察。「存在しないゼロ」遺伝子改良人間。「もう一度、君と」VR仮想現実。作中作の物語も美しい文体。「目に見えない愛情」人間強化。「ベーシックインカムの祈り」ラストの総括的物語。経済詳しく無くても大丈夫な、予想不可能ミステリー。井上真偽さん初めてだったけれどかなりオススメです。2023/02/07

かさお

49
近未来を舞台にした短編ミステリ。ひとつ読み終えてため息がもれる。もっと、もっと、まだ読みたいのに終わりがくる、多分そういう事だろうと『わかったつもり』でいると静かに音も無く破壊される。スッと深く惹き込まれる世界観、こんなに見事な反転にお目にかかれる事はめったにない。現代人っぽさが垣間見えた「探偵が早すぎる」や、理系で難しめの作風とは雰囲気が全く違ってて驚いた。いつの間にこんなに熟成された作品が書けるようになってたんだろう。技だけじゃなく心にも響く。誰にでも胸をはって勧められる。すごいぞ井上真偽。2022/12/12

優希

41
予言ミステリーの味わいがありました。SFのようにひねりがあり、着地点にきっちり着地する。面白いではないですか。ミステリーとSFが融合した作品と言えますね。2024/03/23

よっち

38
AI、遺伝子操作、VR、人間強化、ベーシックインカム。未来で技術・制度が実現したとき何が起こるのか、そのひとつの可能性を描いた近未来SFミステリ短編集。日本語を学ぶために幼稚園で働くエレナが気になった言葉、豪雪地帯に残された家族と父親の奇妙な遺体、VR映画を観た妻が突然失踪した理由、視覚障害の娘が人工視覚手術で知る真実、ベーシックインカムを肯定する教授の預金通帳が盗まれた理由。確かにこれはそんな未来が実現したからこそ起きた事件で、けれどその鍵を握るのが人の複雑で繊細な心理だったりするのが面白かったですね。2022/10/20

なつくさ

33
SFミステリー短編集。とても良かったです。全編、一筋縄ではない驚きがありました。緩んだところに再び訪れる稲妻のような衝撃が絶妙でした。中でもお気に入りなのは「目に見えない愛情」エンハンスメントがテーマの感動作。優しくて温かい物語でした。人が想像したものはいずれ実現するというけれど、科学は一体どこまで行くのだろう。希望溢れるものであればいい。奇跡があたり前になるような優しい世界になればいい。どうしようもない凶暴性が人間に潜んでいたとしてもそんな世界を無責任に祈っていたい。2023/10/21

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