内容説明
生きるべきか、死ぬべきか――「優柔不断」な青年は、ある答えにたどり着く。
父を殺された青年ハムレットは、なぜ復讐を先延ばしにするのか。「理性」と「感情」に引き裂かれる近代人の苦悩を描き出した、シェイクスピア悲劇の最高峰。単なる「復讐劇」ではなく、存在の問題を追求する哲学的な作品として、シェイクスピア研究の第一人者が明快に解説する。書下ろしとなるブックス特別章「ハムレットの哲学」収載!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
100
今尚新たな解釈がなされているシェイクスピアのハムレット。有名な「to be, or not to be」とは、「非道な運命の矢弾をじっと耐え忍ぶか、怒涛の苦難に斬りかかり、戦って相果てるか」であり、理性と熱情のジレンマとの解説になる程と納得しました。「弱き者、汝の名は女」とあるハムレットに登場する女性は王妃ガートルードとオフィーリアの2人だけ。ハムレットの尼寺へ行けと言われ正気を失い「水の中で暮らす妖精のように」最期を迎える様を描いたロンドン、テート・ブリテン所属のミレー「オフィーリア」は漱石も鑑賞した。2023/12/24
おたま
55
今度『ハムレット』の読書会があるため、本体を読む前にこちらを読んでみた。この「100分de名著」シリーズは、読書会の前には大変助けられている。シェイクスピアを読むのは、これが初めて。シェイクスピアの経歴や、歴史的な背景(宗教的な問題等)、戯曲として張り巡らされた仕掛け等にも言及されていて、本文を読んでもきっと見逃してしまいそうなことがいっぱい。この本を横に置いて、『ハムレット』本体を読みたい。ちなみにこの本を書いた河合祥一郎氏の訳で、角川文庫から『新訳 ハムレット』が出ているので、それを読んでみたい。2026/04/28
takakomama
8
時代背景なども含めた詳しい解説に、理解が深まりました。たくさん翻訳があり、翻訳者の苦労もわかりました。作品の解釈も十人十色。舞台や映画も見たくなりました。2023/07/11
さくら
5
シェイクスピアと聞いただけで、難解で私には理解しきれないと思って、読むことを避けていた。本書を読んで、世界中の学者が研究しても解釈が分かれていると知り、少し安心した。分からない所があっても、仕方がないのだ。ハムレットが、生きるべきか死ぬべきかと言うシーンは、ただ迷っているのではないとは驚いた。ハムレットは自分の気持ちを抑えて生きるか、爆発させて死ぬのか、どちらが気高い生き方なのか考えているということか。是非、舞台を見て、自分なりの解釈を考えてみたい。2023/05/05
らる
4
シェイクスピアの創作は、リアリスティックな整合性でなく、奔放な想像力をよりどころにしていた/ハムレットは『人はなぜ生きるのか、いかに生きていくべきか』という哲学を描いた/俺がひとりで悩んでいてもしょうがない、という悟りに至る/やろう、が、やらねば、に変わると、色褪せる/死に至るまでの時間は、すぐである。あれかこれかと悩んでいる場合ではない。一瞬一瞬を十全に生きねばならない。「覚悟がすべて」だと、いつ死んでも悔いのない生き方をする/神にゆだねるとは、何もしないことでなく、人としてなしうるすべてをすること2024/03/08
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