内容説明
知のアーカイブである図書館は、司書を中心に多様な人々に支えられて、地域と図書館をつなげる実践や情報発信をおこなっている。司書、学芸員、研究者、行政担当者が連携して、それぞれの役割を拡張させながら図書館をアップデートし続けている。
図書館を支える人々は、どのような思いで業界に足を踏み入れ、日々の仕事に向き合っているのだろうか。また、図書館ではどのような人が、何を目指して活躍しているのだろうか。
本書は、若手・中堅として活躍するライブラリアン31人にインタビューをした雑誌「ライブラリー・リソース・ガイド」(LRG)の人気連載をまとめ、現在の思いをつづる書き下ろしのエッセーや論考も所収する。ライブラリアンがもつ情報や知識への考え方、彼/彼女たちの生き生きとした表情を描き出す一冊。
目次
※名前のあとにある所属や肩書は、連載当時のもの。
はじめに 岡本 真
司書名鑑 No.1
井上昌彦[関西学院 聖和短期大学図書館]
司書を目指したわけ/図書館での仕事/二度の転機/ミッションを遂行する、広める/エッセー 九年間で最大のチャレンジ
司書名鑑 No.2
谷合佳代子[大阪社会運動協会/大阪産業労働資料館エル・ライブラリー]
図書館員になったのは偶然/資料室から図書館へ/図書館廃止、そしてエル・ライブラリーへ/図書館での仕事/未来への思い/エッセー 働く人々のいまを支え、歴史を未来に伝える
司書名鑑 No.3
谷一文子[海老名市立中央図書館/図書館流通センター]
図書館員になる前に/図書館員から図書館を支援する民間企業へ/司書へ伝えたいこと/地域のアイデンティティを大切にする図書館/エッセー 進化する図書館には進化する人がいる
司書名鑑 No.4
嶋田 学[瀬戸内市新図書館開設準備室]
司書を目指したきっかけ/永源寺町立図書館への転職/住民との協働について/そして瀬戸内市へ/図書館に対する思い/図書館員の勉強/エッセー 「現場(ルビ:ここ)」を支えるための勉強
司書名鑑 No.5
大向一輝[国立情報学研究所]
ウェブが人々の生活を変える/NIIに就職して研究者の立場から現場に関わる/サービスをつくる難しさ/「CiNii」に関わって見えてきたこと/個人としての将来/エッセー 秩序をもたらすライブラリアンの力
司書名鑑 No.6
磯谷奈緒子[海士町中央図書館]
海士町の図書館に辿り着くまで/突破口は学校図書館/図書館を通じてまちづくり/今後について/新しい図書館のかたち/エッセー みんなと育んだ“島まるごと図書館”のこれから
司書名鑑 No.7
柳 与志夫[東京文化資源会議事務局長]
ライフワークは「文化情報資源」/転機になった勉強会「LOTOS(ロトス)」の立ち上げ/公共図書館は行政サービスの一つ/知的サービス研究会から知的資源イニシアティブ、そして千代田区立図書館へ/広がるライフワーク/エッセー 変わらないこと
司書名鑑 No.8
是住久美子[京都府立図書館]
きっかけは「オープンデータ京都勉強会」/「オープンデータ」から次のステップへ/「Wikipedia」と図書館は、もっといい関係になる/京都府立図書館に至るまで/資料さえあればどこでも司書になれる/エッセー 外に飛び出したことで道が開いた
司書名鑑 No.9
平賀研也[県立長野図書館長]
図書館長になるまで/伊那市立図書館長から県立長野図書館長へ/エッセー 地域社会の「知のコモンズ」を目指そう
司書名鑑 No.10
佐藤 潔[図書館総合展運営委員長]
本との関わり/図書館総合展とは/図書館総合展の重要施策/図書館に関わるみなさんへ/エッセー 「小説家 瀬戸内寂聴」の出発点
司書名鑑 No.11
山崎博樹[前・秋田県立図書館副館長]
行政職員から図書館職員へ/誰も見たことがない、新しい図書館の仕組みづくりに挑戦/プロジェクトを成功に導くために必要なこと/学校図書館の面白さ/図書館員は常に新しいステージに挑戦すべき/三つのこと/本当の学びとは/エッセー 立場は変わっても視点と学びを大切に
司書名鑑 No.12
ほか
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