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内容説明
みなさん、継続することは得意ですか? 得意な人はこの本は手に取っていないと思いますから、おそらくちょっと苦手ですよね。一方、僕は継続することがむちゃくちゃ得意です。なんか自慢みたいで申し訳ありません。でもその代わりといってはなんですが、別に質が良いわけではないと思います。多くの人は、何かをやろうとして、手をつけはじめて、無事に完成することができたとしても、それが売れないだとか、人から評価されないだとか、そういった不遇を味わい、自信を失い、徒労感ばかりを感じるようになり、いずれはやめてしまうようです。僕はいつも、もったいない! と思ってしまいます。だって、作っているときのほうが楽しいですもん。つまり、何かを継続しているときのほうが、楽しいんです。この馬鹿みたいに単純なことに、僕は気づいたんです。――執筆、絵描き、作詞・作曲、「いのっちの電話」……どれも20年以上つづけてきた、スランプ知らずの継続マニア・坂口恭平さんが見つけた、「やりたいこと」をつづけるコツが1冊に!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おたま
44
もっとかっちりとした枠組みで書かれているかと思ったが、かなりその時の気分に任せて書いている気がした。しかし、それがちゃんとある一貫した考えになっているところが凄い。ちょうどジャズのアドリブを聴いている時のようだ。内容は、やりたいことを継続していけば、やりたいことだけを継続し、生活を埋め尽くしていけば人間幸福になるという、言われてみれば当たり前のこと。私たちは仕事等で、お金のためと我慢して、やりたくないことを毎日継続している。いやなことを継続する力がそんなにあるなら、やりたいことは必ず継続できる。2023/05/17
pukupuku
43
「好き」は最強。それがなくても生きていけるけど、あったらご機嫌になれる時間がどんどん増える。4月16日まで著者の地元熊本で「坂口恭平日記」が開催されている。遠いし、熊本市現代美術館のHPで紹介されてる絵を見ればいいやっ思って眺めてたけど、この本読んだら、やっぱりこの人が送り出した生の絵を直に観たくなった。2023/03/10
yutaro sata
38
日々受け続けているいのっちの電話から、ある可能性が見出だされる。「何かを作っている間は、生きていることがマシになるのではないか」 では、なぜその「やりたいことの継続」が挫かれて、「やりたくないことの継続、その結果としての死」が基本になっているのかを解き明かしていく。 最後、こしらえやてらいを排し切った先に、「ただ」の欲望に出会い直した坂口恭平さんは、初めて幸福になっていく。そしてこの幸福はきっと、私だけのものではないはずだ、と言う。私もこの幸福を徐々に受け取っていきたいと思う。2022/12/13
冬佳彰
26
本日、読了。不思議な本ではあるなあ。「継続するためのハウツウ」ではないんだよな。まあ、一部、含むが。「継続する」ことに関する考察、著者が「継続」してきた履歴みたいなものか?他著でもそうだが、著者の頭の中に乗っかって「追体験」している感じを受ける。乗れると心地よいし、合わない人は、「何だ、この空っぽな本は?」とか思うんだろうなあ。空じゃあないんだけど。俺には面白かったし、凡百の自己啓発本が霞む勢いがある。とにかく、「こーやって工夫、実験、調整しながら、どーにか生きてきた」著者の言葉が栄養になる。2023/01/01
しん
24
タイトルからすると、物事を継続する秘訣のようなものが書かれていると思うのですが、そうではない本です。内容的には賛否両論あるかも知れませんが、個人的には頷ける内容だと思いました。要するに、好きなこと、やりたいことだけをやって、他人の評価とか、お金になるかならないかを気にしなければ良い、という内容だったと思います。生活するためには収入も必要なので、好きなことだけするわけにもいかないのが現実だと思います。でも、他人の評価を気にしないで、それが好きなことだったら続けられるという点には同感です。2023/02/12