内容説明
「おまえは出来は悪いが、うちの娘だ」
思いつめたら突き進む“跳ねっ返り”女性警察官の真情。
認知症の高齢女性を助けた青年が水死体で発見された。
鈴山澪は事件の背後に悪名高い刑事の存在を探り当てる。
不審な動きを見せる刑事は何を追っているのか?
特殊詐欺の闇を抉り出す渾身の警察小説!
心優しき青年はなぜ殺されなければならなかったのか?
新潟県警に勤務する鈴山澪は地元のテレビ番組で、特殊詐欺対策啓蒙コーナーを担当している。
共演者の麻子は、恋人を詐欺被害で亡くしていた。ある日、麻子は生放送で、未だに捕まらない
犯人への憎しみを口走って炎上する。
一方、澪の友人で、大雪の日に認知症の高齢女性を保護して表彰された青年がいなくなる。
その件に絡んで謹慎となった澪は行方を探し、富山の海岸で変わり果てた姿を目にする。
辿りついた防犯映像には地元暴力団との交際が噂される刑事の姿が……。
警察組織に背を向けて事件を追う澪は、いつしか、封印した自らの過去に踏み込んでいくことに――。
新潟を舞台にした新たなる警察小説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
157
久しぶりの神護さん。『跳ねっ返り女性警察官の真情』とある。特殊詐欺の闇を追う澪が、自分自身の闇と対峙する後半への流れに、ページを捲る手が止まらない。親切でいい人と思った男はとんでもない奴で、相変わらず私は騙されるのが今年もお約束か?(汗)澪の上司・市来係長に同僚・廣田の存在が良かった。詐欺って次々と本当に無くならないのがキツイ現実。なんとかならないのかなぁ・・と思いつつ本作を面白く読んだ。2023/01/07
モルク
125
特殊詐欺防止をテレビで訴えている生活安全課の澪。認知症の女性を保護して表彰された知人が失踪し富山で水死体で見つかる。謹慎中にもかかわらず澪は事件を追う。好青年と思われていた彼の裏の顔、胡散臭い悪名高い刑事、そして事件にのめり込んでいくにたれ澪自身の封印していた過去も…。特殊詐欺、ジェンダー、復讐といろいろな問題を取り込み一気に読める。舞台が地元なので実在の通り名があり名は出さずともあの店とわかるものもあって楽しい。ただ澪が一人無防備に突っ走りイライラ。上司後輩いてこその一件落着。後輩廣田がいい味出してた2023/02/12
ma-bo
96
新潟県警を舞台とした警察小説。テレビ番組内の特殊詐欺対策の啓蒙コーナーに出演している鈴山澪。一緒に出演していた高齢女性の発言がきっかけ謹慎に、また番組内で表彰され、その後知人となった男性が失踪後水死体で見つかり、澪は謹慎の身ながら独自で事件を追い続け…。事件の発端は特殊詐欺だが、澪には人には言えない背負ってきた過去、他の登場人物も抱えてきた辛い過去があり何とも言えない苦しさがある読書だった。題名は澪が自分の過去=影と折り合いをつけ、共存していく覚悟を決めた意味かな。2023/04/17
ゆのん
90
初読みの作家さんだったがとても読みやすく、面白かった。高齢者を狙った詐欺を土台に『地獄』を経験した様々な登場人物達。あまりに不幸の連続に気持ちが塞いでくるが、主人公である跳ねっ返りの女性警察官の周囲の人達がとても暖かい。いかにも『嫌な奴』的な人程実は優しいのかも。主人公の抱える闇を何とか明るい場所へ導こうという作者の思いにも感じる。年配者や子供が餌食となる犯罪や虐待は本当に許し難い。被害者本人だけでなく近しい人たちをも不幸にしてしまうのだから恐ろしい。2023/01/02
itica
87
オレオレ詐欺被害防止をテレビで訴える、アイドル的な存在の生活安全課の巡査部長、澪は友人の失踪で独自捜査を進めてしまう。登場人物とエピソードの多さに読みにくさを感じたが、いよいよ大詰めになって色々と腑に落ちるとモヤモヤが一気に晴れた。怖いおじさんとの対決はすごかったが、澪の暴走が少し浮いていたかな。 2023/02/02
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