内容説明
世界初のこころみ
超難解哲学書を原典に忠実に、かつ平易に解読
大好評、知の高峰を読み平らげるメチエ「完全解読」シリーズ第2弾。
古代ギリシア以来の哲学をコペルニクス的に転回し、近代哲学の礎を築いたカント三批判書の第1書。「物自体」「カテゴリー」「アンチノミー」などのキー概念を中心に、難解でなる著作の理路を徹底的かつ平易に解読する。
目次
1 先験的原理論
第一部門 先験的感性論
第二部門 先験的論理学
第一部 先験的分析論
第二部 先験的弁証論(先験的論理学の第二部)
2 先験的方法論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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『医師や裁判官や学者などが多くの専門知識をもっていながら、しかもなおさまざまな誤りを犯すことについては誰でも知っている〜(略)〜判断力の規則を、本質的な原則としてよりも単なるノウハウとして身につけさせることが多い。だから判断力に欠ける人にとっては、かえって実例がないと自分で進むことができないということも起こる。』素晴らしいよ、人間ってのはさ。この人達のノウハウにより救われる人が多いから結局成り立っちゃうんだよね。救われた率が高いから否定的な意見は経験によってねじ伏せられる。2023/05/09
静かな生活
2
自然科学諸々を含めた「自明性」のちゃぶ台返し。結局他人ごとを自分ごとにすることでしか前進できない。多分私には竹田文体があっているんだろう。チャート式にしてくれた方がスッキリする2020/05/25
斉の管仲
1
ノート取りながら、朝の時間に読んだ。3ヶ月かけて。日常から解き放たれた、至福の時間だった。2022/01/26
よしくん
1
無理に読まなくてもいいかなぁ、と。 同じ筆者の『超解読 はじめてのカント』のほうが、簡潔にまとめられていて分かりやすいと思います。 本書は『純粋理性批判』を実際に読みながら、分からないところを教科書ガイドみたいなノリで読むべき本なのでしょうが、今はいい翻訳もありますしね。 『純粋理性批判』の解読は前述の新書版に任せて、筆者の独自の見解をもう少し聞きたかったですね。2021/09/30
いとう・しんご
1
竹田先生のフッサールが良かったので同シリーズのカントを読みました。現代思想の源流を丁寧に、できるだけ分かりやすく案内してくれている。後書きにある「若き世代にもう一度、ヨーロッパ思想の原点である近代哲学の思考の根本問題をじっくりたどりなおして欲しいと思う。カント哲学こそは、その最も中心部分、近代思想の「へそ」なのである」という著者の言葉には完全に共鳴できる。正直、歯ごたえ、噛み応え十分な本だけど、自分の頭で考えることを忘れた大人ばかりになってしまった今日にしあらば、なおのこと若い人たちに読んで欲しい。2021/02/12