PD 検察の犬たち

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PD 検察の犬たち

  • 著者名:荒木源【著】
  • 価格 ¥2,079(本体¥1,890)
  • 小学館(2022/11発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784093866590

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内容説明

天才か、稀代のペテン師か。

 東日新聞社役員の西岡は、会社絡みのある通夜席で、久しぶりに販売局お客様センター窓口の折原と顔を合わせる。折原は、かつて西岡が地検特捜部担当になった頃、他紙を凌駕する存在だった。
 彼を中心に据えた東日検察回りの面々は、一連のゼネコン疑獄報道の果てに巨悪に辿り着く。だがその栄華も長くは続かなかった。折原はある出来事を機に記者職を追われてしまう。
 空前の東日スキャンダルが、折原を起点に発覚したのは、ふたりが酒を酌み交わしてからまもなくのことだった。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rosetta

36
★★★★☆かなり気に入った。司法クラブで検事を担当する新聞記者達。無類の人たらしで他人を操る東日新聞の折原。まるで諸葛孔明のように全てを見通すかのよう。後輩の誠実だけが取り柄のような西岡。現在と27年前が語られる第一部はお仕事小説の興味はあるがはっきり言って長い!記者同士の特ダネ合戦なんて本当にどうでもいい。二部三部では現在の東日の混迷と再生を描く。とうとう社長になってしまった西岡。折原の深謀遠慮は会社と登場人物達を何処へ連れていくのか?読者もキャラの一人となって折原の掌の上で翻弄される。オススメです2023/01/26

むつこ

32
新聞記者たちのお話。しかも基本的に「検察」の人について回る記者たちを「犬」と揶揄し、その苦労話っていうのかな。記者たちの日常って、ターゲットの人だけでなく、その一日の終わりには締め切りがあって、一緒に過ごす(他社も含む)仲間にも秘密にしたり家族とも時間がとれず孤独な職業と改めて感じた。しかも今ではネット情報で新聞も売れない、紙媒体はなくならないと思っているが個人情報・報道の自由、その厳しい世の中でも数少ない社会の警笛を鳴らす存在として耐えて伝え作り続けて欲しい。 2023/08/29

海の仙人

29
初読みの作家さん。検察周りの番記者として夜討ち朝駆けでターゲットに食らいついていく「犬」たちの壮絶な物語。検察から情報を聞き出し特ダネを手に入れるため、他社の記者を出す抜くため、社会正義のために寝食を忘れて駆け巡る記者魂に惹きつけられ、先が見えない長編をじっくり楽しみました。2023/03/26

Mc6ρ助

18
あの新聞やらあの人やらこの人やら、勝手にモデルを当てはめて一気読みしてしまう。消費税の軽減税制であの新聞でさえお国に従順になってしまったと信じて疑ってないがあのことやらこのことやらいろいろあったと思い出してもしまった。とはいえ読み終わってしまえば、主人公(と言ってよいのだろうか)のスーパーマンぶりが凄すぎてエンタメだよねとつぶやくのだった。新聞にもそれが擁護すべき民主主義もあんまり明るい未来じゃないのがなかなかに哀しい。2023/04/09

於間抜新吾

9
現実の話かと見紛う登場人物のリアルさと事柄の詳細さだった。ハルバースタムを敬愛するジャーナリストが結局、取材対象とズブズブになることがスクープを打つほとんどひとつの方法と知るのはつらいだろうし未来はあるのかと自問するのは当然と思えた。骨太の物語に魅了された。2023/10/09

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