内容説明
“白黒つけたくない”日本人の法意識のありようを再検討する
勧解制度は、なぜ導入されたのか。どのように運用され、いかなる種類の紛争を関係していたのか。多くの紛争を処理していたにもかかわらず、なぜ廃止されたのか。
このような制度面にかかわる疑問とともに、日本における裁判所制度の創設期に勧解が果たした役割とその評価といった思想面、前後の時代への影響について明らかにする。
本書は、維新混乱期の勧解、1920年代の借地借家調停制度および1930年代の金銭債務調停制度を中心として、小作調停や1940年代の戦時民事特別調停にも触れながら、調停制度が果たした具体的な機能・歴史的役割を考察するものである。
具体的には、司法統計を用いての調停制度利用の量的側面における分析を行うと共に、各調停制度の導入経緯や紛争解決の実態を実証的に示した。特に調和や互譲などの日本的な文化的価値を強調した、これまでの調停制度の捉え方に対する批判的検討を行い、日本の調停制度の新たな視角を提示する。
目次
序章 勧解・調停を研究する視角
第1章 勧解制度の導入
第2章 勧解制度の施行
―紛争解決制度形成過程における勧解前置の役割-
第3章 勧解制度選好の要因
第4章 勧解制度の廃止
第5章 勧解から督促への変化
第6章 勧解と裁判との比較―明治前期の「雇人」事件を中心に―
第7章 借地借家調停制度成立に至る経緯
第8章 1930年代の金銭債務臨時調停制度の特徴
終章 ウラオモテの制度と「前段の司法」
あとがき
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