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内容説明
平城京に置かれ、占い・天文・時・暦にたずさわる部署、陰陽寮。天文博士のもとで星図をかく星読みの青年、言祝にはとくべつの秘めた務めがあった。
大化の改新がはじまる直前まで、飛鳥の地には、『日本書紀』をまとめるために欠かせない書物があったという。蘇我氏が滅びる乙巳の変によって、一族とともに焼失したそれを探しだし、炎にまかれる直前に持ちかえってくるようにとの命を受けた言祝。ありかをつきとめるため、蘇我の邸にまぎれこませる女の子として、言祝が見こんだ少女、沙々。
平城京と飛鳥、およそ70年離れた時をこえて過去わたりをする二人に訪れた結末は……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
109
一気読みの面白さの一冊。日本書紀をまとめるために奈良時代から飛鳥時代へ…大化の改新で焼失してしまった書物をタイムスリップで取り戻すストーリー。あまり濃く味わう機会がなかった時代だけに歴史のおさらいとしてももってこい。70年の時空を超えての過去わたりは、星読みの青年の言祝と少女の沙々との出会いから魅了される。タイムスリップものに付きもののドキハラな要素、葛藤する姿や勇気、人としての温かさがギュギュッと詰め込まれ一気読み。史実を活かした展開、綺麗なまとめ方で面白かった。読書に夢中だった放課後を思い出すYA書。2026/08/10
☆よいこ
94
児童書。高学年向き。歴史ファンタジー▽平城京への遷都があった時代。貧しい姉妹はなんと支え合い暮らしていたが、美しい姉が貴人に連れていかれてしまった。12歳の沙々(ささ)は姉を取り戻そうと屋敷にひとり乗り込む。星読みの言祝(ことほぎ)は、特別な仕事を任せられる少女をか探していた。沙々は言祝に見込まれ手伝いをする。ふたりは70年前の飛鳥にタイムスリップして、失われた国書を探す。「日本書紀」を完成させる為に、大化の改新の最中、燃える館から重要な書類を持ち出すことはできるのか▽飛鳥・奈良時代の重要人物多数出演2022/11/27
たま
83
読み友さんのご感想に教えられて読んだ。楽しかった。平城宮(710年頃)から645年、乙巳の変の飛鳥の燃えさかる蘇我邸へ、日本書紀を編むための史料を求めて「過去わたり」する。私が子どもの頃はこんな設定の日本史SFはなかった!文化の円熟を感じる。陰陽寮の「星読み」である言祝は、蘇我屋敷に忍びこませるために孤児の沙々を拾って養う。長い歴史のなかで孤児となった無数の少女たちの苦労はいかほどだったか。時間旅行の出発点となる氷室とその術がとてもきれいで、最後、思いがけない人物と巡り合うサプライズも良かった。2026/08/24
さつき
67
平城京から大化の改新の飛鳥へ。時を遡る過去わたりが行われ、戦火の中消えた『天皇記』『国記』を救おうという試みがあったなど古代史ファンには堪らない物語です。行きたい日時の星図を使うなんて過去わたりの技自体もなんともロマンチックで素敵。主人公の沙々が一生懸命頑張る姿は自然と応援したくなります。2023/05/23
がらくたどん
60
ちょうど以前から読みたかった周防柳さんのメイキング・古事記伝を読み始めた時にご紹介頂いて。牧野さんの歴史冒険ファンタジーは清盛と後白河院の確執を描いた物語以来の2冊目。「過去わたり」の名の通り物語の鍵はタイムワープ。ただし上代から最上代へのワープというのが斬新。天武天皇の第6皇子舎人親王の元で編纂中の「日本書紀」の有力史料となる大化の改新時に焼失した「天皇記」「国記」を求めて若き星読みと偶然抜擢された貧しい孤児の少女が70年ほどの時空を超える。社会から無用とされた少女が確かな絆と居場所を探す物語でもある♪2026/08/19
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