内容説明
独自の幻想世界をつくりあげた安房直子。その代表的な作品とエッセイを収録した本格選集。第1巻は初期の短編作品を中心に11編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
252
安房直子の作品は絵本では読んだことがあったが、こうした童話集は初めて。本書は『なくしてしまった魔法の時間』という魅力的なタイトル(北見葉胡の表紙絵もいい)のもとに11の短篇童話を収録したもの。いずれも透明感に溢れたファンタジーである。日本的な匂いはあまりなく、ヨーロッパ、とりわけ北方のイメージを喚起するようだ。しいて言えば、アンデルセンの紡ぐ物語に一番近いか。また、それと同時に北欧神話風の面影も漂う。そして、作品群全体が持つ清冽な空気と厳しささえ感じさせる温度感は、青の色彩に収斂されて行く。これが特に⇒2026/05/01
吉田あや
84
大好きな安房さんのお話が沢山詰まっているだけでなく、北見葉胡さんの素敵な絵が添えられ、クラフトエヴィング商會のお二人が装幀という贅沢な安房直子コレクション。オレンジ色の夕日と砂漠が溶け合い、遠い国の神秘と不思議な境界線の惑いが魅力的な「夕日の国」。本物の空と同じように刻々と色を変える空色の絵の具と、とろりと美しい紅ばら色の絵の具が印象的な「空色のゆりいす」降り積もる雪から零れる、ほと、ほと、ほと、ほとと歌うような優しく温かな音が聞こえてくる「北風のわすれたハンカチ」。(⇒)2021/05/13
がらくたどん
71
『光と窓』(カシワイ)を読みながら:久しぶりの安房さん。不思議な事ばかり起こるのに言葉が飛んだり捻じれたりせずにゆっくりと並んで繋がってゆくのでまだ言葉をたくさんは知らない子ども達でも絵が浮かぶそれこそ不思議な童話集。「きつねの窓」のキツネが染めてくれた指で作った窓から見える大切な景色の余韻。同じ「窓」でも「雪窓」は娘を亡くしたおじさんとタヌキの営む屋台のおでん屋。娘に似たお客の忘れ物を届けるために屋台を引いて雪山を超えて。もちろん山の中でも熱々おでんは大人気。寒い夜に楽しいお話。末尾に短いエッセイ付き。2023/01/12
はる
56
再読。不思議で懐かしくて、そしてどこか哀しい。「きつねの窓」「さんしょっ子」「雪窓」など、安房さんの魅力が詰まった作品集。安房さんの作品は時々凄く読みたくなります。行間に漂う切なさがたまらない。どの作品も何度か読みましたが、いつ読んでも変わらぬ瑞々しさ。エッセイが収録されているのも嬉しい。2022/07/22
はる
55
不思議で懐かしくて、そしてどこか哀しい。「きつねの窓」「さんしょっ子」「雪窓」など、安房さんの魅力が詰まった作品集。安房さんの作品は時々凄く読みたくなります。行間に漂う切なさがたまらない。どの作品も何度か読みましたが、いつ読んでも変わらぬ瑞々しさ。2016/10/24
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