内容説明
鬼を祓い、人を呪う
星を観測し、暦をつくる
彼らは何者か
日本を裏で支えた異能の者たち、陰陽師の謎に迫る。
古代中国で生まれた易(えき)や陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)の考え方が日本にもたらされたのは六世紀のこと。
それが陰陽道(おんみょうどう)という思想となり、国政に取り入れられて「陰陽師」という存在を生んだ。
科学技術の乏しい時代、陰陽師は天文から災異を知った。暦をつくり、人々の生活を支配した。
明治時代に廃止されるまで、陰陽師は科学者であり呪術者だった。
陰陽師の歴史を辿るとき、それは同時に日本を知ることなのだと気付かされる。
もしかすると今の世にこそ 陰陽師が必要なのかもしれない――
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ときわ
13
偶然なのだが一緒に図書館から借りてきた陰陽師が活躍する本を読んだばかり。中国から来た思想が日本独自に進化していった様子が分かり、どんなものでも日本流にしてしまうのは古代からなのだなあと感心してしまった。今だと陰陽道は何となく超自然で科学的でないと思われがち。でも伝わってきたときは最先端の科学だったと。ほぉー。平安時代の安倍晴明が有名だが、その後の室町、戦国時代、江戸時代、どうやって陰陽師たちが生き残ってきたか知ることが出来た。明治になって陰陽師は潰されてしまったが、今でも私たちの生活に名残をとどめている。2022/11/19
ちょうすけ
8
陰陽師は昔から好きなジャンル。自分が読もうとする小説や漫画に出てくることが多いので、多少の知識を取り入れておこうと手に取った。タイトルとおりイラストでの解説が多く分かりやすい図鑑。なかなか読み物としても面白い。広く浅く知識を得ることが出来るお手頃な図鑑で面白い。昔から何となく図鑑は写真よりもイラストが載っている方が好き。この手の図鑑はたまに読みたくなる。2023/05/08
☆ひとこぶラクダちゃん☆
6
陰陽師の役割から始まり、安倍晴明様、陰陽師のスター、歴史など盛り沢山の内容になっています。イラストの横に細かい説明があり、とても分かり易いです。明治時代まで陰陽師が活躍していたので、本物に会ってみたかったです…。しかし神道が祈祷や、おふだの授与を継承しているので、これからは、神職の皆さんを陰陽師と思ってみましょう。また神社に行きたくなってきましたね。良い本でした。2025/07/17
みやち🐹
6
図書館本。前から気になっていた「解剖図鑑」シリーズ。初めの一歩として、まずは興味のある分野から手を出してみました。小説や漫画、アニメなど様々なメディアを通じて陰陽師を見てきたのですが、イラスト付きで見ることで「言葉」としては知っていたことでも頭の中でより鮮明な形になっていく感覚がありました。特に歴史の部分は最初の方で知ったことと現代の行事・考え方が繋がっていたんだ!と分かり、なんだか嬉しい気持ちになりました。昔の方々の知恵に生かされているんだなと、改めて感じた一冊でした。面白かったです!2025/04/14
hatohebi
6
鎌倉時代末期成立の「徒然草」でも、鎌倉幕府に仕えた陰陽師・安倍有宗が兼好宅を訪ねてきた話(224段)や、晴明の子・吉平の占文(163段)や赤舌日(91段)の話題など、陰陽道に関する話題がしばしば登場する。我々が超人的な魔術師のように思い描きがちな陰陽師だが、本書はその歴史と背景をコンパクトにまとめ、実像を解説したもの。日本は中国から陰陽五行思想や易を学び、また唐を真似て国家制度を作った。奈良時代の陰陽寮は天文や易学など当時の最先端科学を取り入れ、呪術を担当する呪禁師と別物だったが、平安時代に合一する。2024/07/15




