内容説明
コロナ禍などの不幸な出来事が起きた時ほど、私たちは科学に正解を求めがちだ。しかし現実には、科学は100%の答えを提供してはくれない。そんな科学を生活に役立てるためのサイエンスコミュニケーションについて、身近な話題を通して解説する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Taka
11
科学リテラシーと何か?著者の答えは、確率的に物事を見ることだという。原発事故の時、直ちにえいきょうはない、等絶対的に何か起こると確定しないと断言できない社会。ワクチンを打つことは体にいいのか?悪いのか?確率的には、何割その可能性を上げることはできる。絶対はこの世にあり得ないが、科学的な知識を得ていることで、確率を上げることができる。花を見て、情緒的なことを答えるのが日本人のいいところではあるが、ありのままを見ている観察の目。また考えることが苦手な日本人。不安からくる曖昧さ。さてその恐怖、何%の確率で発生?2023/12/11
BATTARIA
10
出だしで予想がついてしまったが、ときには科学的真実が明らかになったところで何の意味もなく、感情が科学を圧倒してしまうことを必ずしも全て悪とは言えないことに、著者は気づいていないのが残念。この手の本によくある話だが、"科学より感情"という言葉の使い方が雑過ぎる。大学の講義をまとめたという背景を割り引いても、語りかけ口調のまま文章にしたのは、それこそ著者への感情的反発を招いてしまっている。「五千人に一人の確率でも、なった本人には百%だ!」と喚いている人には、エビデンスは確率論でと言ったところで馬の耳に念仏だ。2023/03/16
higassi
6
★★☆☆☆ 著者が娘の学校で講演をされるようなので読んでみました。「科学リテラシー」や「サイエンスコミュニケーション」の重要性を説く一冊ですが、ややその本質から離れて著者の主張が強まってしまっている感も。学生さんたちが読んですんなり受け入れられるのかちょっと心配。2023/04/29
aochama
4
日本では科学よりテレビやネットの軽い情報が支配的で悪貨は良貨を駆逐していることがままあります。その原因を科学リテラシーの低さに見出だし、サイエンスコミュニケーションを行うコミュニケーターの養成が求められるとします。サイエンスコミュニケーションを尽くした実例をあげた説明はわかりやすく、誤解されないことがわかりました。 正しく恐れるためにもエビデンスをもって、確率を用いた説明は必須ですね。誰もが発信できる時代、専門的な説明時には特に注意したいものです。2023/02/11
くらーく
3
何だかタイトルと内容が合わないのよね。こんな事も知らない奴は相手にしない、とでも言っているような。 P.97の最後の段落から、「ウイルス」を「ウィルス」と書くのは全くの素人でと上から目線です。いや、専門家は大文字のイを使います、ぐらいで良いと思うけど。全体に、俺は専門家、プロで、こんな事を知らないのは素人感が漂っていてねぇ。これも感情かねえ、無能者の。 本書の目的がサイエンスコミュニケーションの事を広く知ってもらいたい、ってあとがきにあるけど、人としてコミュニケートしたくない感じ。あー、感情で動いている。2023/02/17