内容説明
概念の解像度を上げるだけが哲学の仕事ではない。ベルクソンは、イメージとの往還と緊張関係を強調してやまない。本書は、最新の研究成果を踏まえつつ、『時間と自由』や『物質と記憶』など主要著作の鍵概念である「持続」や「純粋記憶」を深く理解するには、「リズム」や「場所」のイメージの精確な読解が欠かせないと説く。勁草書房編集部ウェブサイトでの連載時より大幅改稿。
目次
序 論 言葉の暴力
§1 功利性と効力
§2 生命(vie)・生き長らえ(survie)・超-生(sur-vie)
§3 哲学と科学、良識(ボン・サンス)と常識(サンス・コモン)
§4 メジャーな概念とマイナーな論理
§5 言葉のふるう暴力
§6 言語にふるわれる暴力
§7 「見かけに騙されないようにしよう」──言語のアナモルフォーズ
§8 言語の速度学──遅れとしての隠喩
§9 否定的転義学
§10 螺旋としてのベルクソン哲学
§11 言語の手前、言語の彼方
§12 transports amoureux、あるいはピルエットとしての直観
§13 マイナーな論理は何をなしうるか(本書の構成)
第I部 測りえぬものを測る──『意識に直接与えられたものについての試論』における持続のリズム計測(rythmesure)
§14 計測から遠く離れて(第I部の構成)
第1章 計測のリズムを刻む──『試論』第一章の読解
§15 「心理的諸状態」の類型論(『試論』第一章の構造)
§16 呼びかけI──リズムと共感(美的感情の分析1)
§17 催眠的リズム(美的感情の分析2)
§18 強度と深度(美的感情の分析3)
§19 ベルクソンの手I──「例えば、拳を徐々に強く握りしめてみてほしい」
§20 中間状態の分析における「注意attention」と「緊張tension」
§21 自由の始まりとしての感覚
§22 「音楽の表現力、というよりむしろその暗示力」
§23 多様性と有機組織化のあいだにある強度
第2章 リズム数論(arythmologie)──『試論』第二章の読解
§24 数の問い──カント、フッサール、ベルクソン
§25 場所学I──コンパス化された存在(拡がりと空間)
§26 メロディーからリズムへ
§27 数(arithmos)とリズム(rhuthmos)──アリストテレスとベルクソン
§28 リズム計測I──構造的リズム
§29 内在的感性論のほうへ
第3章 自由の度合い──『試論』第三章の読解
§30 決定論批判
§31 自由はいかにそのリズムを刻むのか(ベルクソンとハイデガー)
§32 催眠、自我の測深
§33 記憶の問題系へ
§34 数に関する思考の未来
第II部 場所なきものに場所を与える──『物質と記憶』における記憶の場所学(khorologie)
§35 存在論的、憑在論的(第II部の構成)
§36 ベルクソンとカント──超図式機能のほうへ
§37 ベルクソンによるコペルニクス的転回──場所論としてのイマージュ論
第1章 『アリストテレスの場所論』に場所を与える
§38 場所と空間──ライプニッツの位置
§39 『アリストテレスの場所論』から『物質と記憶』へ
第2章 知覚の位置──『物質と記憶』第一章・第四章の読解
§40 ファイネスタイの論理としての現象学
§41 ベルクソンの手II──『物質と記憶』第一章における幻影肢
§42 二つの身体の理論──距離の現象学
§43 実在的(リアル)なもののしるし(サイン)、あるいは『知覚の現象学』における幻影肢
§44 situsの論理──記念碑的なもの(le monumental)から記憶を絶したもの(limmemorial)へ(『物質と記憶』第四章)
§45 リズム計測II──差動的リズムとしての持続のリズム
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