内容説明
2015年1月7日、フランスの新聞社をテロリストが襲撃し、編集長や風刺画家ら12名が殺害されるという一連のテロ事件がおきました。このシャルリー・エブド事件のインパクトは、世界中の人々に表現の自由とは何かを改めて考えさせることとなりました。
本書はこの出来事を受け止めたフランスの著名作家が、娘との対話の形をとりながら、テロリズムとは何か、テロリストとは誰か、テロの恐怖とそれを乗り越えるにはどうしたらよいのかをめぐって、真剣に思索を深めていきます。
本書では、ライシテ(政教分離)などとの関連でテロの問題が論じられますが、話はフランス国内に限らず、世界中で拡大するイスラム原理主義にもとづくテロ全般に及びます。
国際社会においてテロが終息する気配は一向に見えておりませんが、ウクライナ情勢でむき出しになった国家の暴力や、日本における安倍元首相襲撃事件とその後の政教分離の政治問題化など、いまの社会の動向を考えるうえでも有益な知見を提供してくれます。
テロリズムはなぜ起きるのか? と疑問に思ったらまず読んでいただきたい一冊です。
目次
序文 子どもたちにどのようにテロリズムを語るか
ある日のこと
翌日には
二日後に
最後に
あとがきとして
訳者あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
茜
49
私の感覚からすると子供と言われると小学生くらいの子、または中学生くらいの感覚なのですが著者の娘さんがいくつなのかはわからないけれど、娘との対話方式にしては話しが難しく高校生くらいのティーンエイジャーに説明している感じです。著者自身がムスリムであるからなのかテロの話しというよりはイスラム教やジハードと言った単語が頻繁に出てくる。ある意味で言えばテロはどうして起こるのかという始めの一歩からの説明なので、テロやテロリストのことを知りたいけれどそこから始めないといけないのかと億劫になりました。2023/06/05
いまちゃん
2
テロを起こすのは確かにイスラム系が多いけど、テロ=イスラムではないんだよな。何回かそれは本文で伝えているけど、終始イスラムとジハード主義について語られているので勘違いされちゃいそう。個人的には、シャルル・エブドの事件は先にフランス側が表現の自由を振りかざしてイスラムに暴力を振るっているのでテロというポジションではないんだよな…。でも、フランス人からみればやっぱりテロであることに変わりないか。2022/12/23
マキロン
1
読みづらく途中挫折。でも読むべきテーマだと思うので時間を置いて再読したい。2023/03/26
kei-firefly
1
子供向けの本ではなく、大人もテロとフランス文化を色々と学べる一冊でした。テロの側面として、女性の社会進出、家父長制からの脱出が理由たり得るという考えは目から鱗。それに対する単純な抑圧がテロとは。それから、ジハードと言うには戦士には妻や息子や母親がいなければならないと言うのが非常に腑に落ちた。でも、娘や父親はどうなん?2022/12/18
カリメロ
0
2023年1冊目。 テロリストがどうやって生まれるのか、社会学的、心理学的に説明してありとてもわかりやすかった。 日本とは違いヨーロッパの人々がどれだけテロに怯えているかも理解できる。 日本が安全とは言えないが、凶悪な犯罪が増える中子供にどう伝えていくか考えさせられた。2023/01/03
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