新潮文庫<br> ランゲルハンス島の午後(新潮文庫)

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新潮文庫
ランゲルハンス島の午後(新潮文庫)

  • ISBN:9784101001388

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内容説明

まるで心がゆるんで溶けてしまいそうなくらい気持のよい、1961年の春の日の午後、川岸の芝生に寝ころんで空を眺めていた。川の底の柔らかな砂地を撫でるように流れていく水音をききながら、僕はそっと手をのばして、あの神秘的なランゲルハンス島の岸辺にふれた――。夢あふれるカラフルなイラストと、その隣に気持よさそうに寄り添うハートウォーミングなエッセイでつづる25編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ハイク

179
25編の短編集。2時間もかからず読み終わった。「レストランの読書」は感じの良いゆったりとした喫茶店をいくつか確保しておくことは同感だ。「女子高校生の遅刻について」はホテルからしばらく興味深く観察していたに違いない。「CASH AND CARRY」の意味がわかった。著者と同様日本では身の置き所に困る。著者は問題意識があるので、チョットした日常生活に独特の視点で文章にしてしまう。海外生活経験があり日本と違う所に目が行き、どうして違うのだろうと考えるのだろう。リラック出来るし、お薦めの本でだ。水丸画伯の絵も良い2015/11/18

ヴェネツィア

159
30年近く前に雑誌「クラッシィ」に連載されていたエッセイ。毎回、文字数にして800数十字くらいの短いもの。それでも、ちゃんと村上春樹らしさを出しているところは、さすがにプロフェッショナルな作家だ。もっとも、その程度は回によって違うのだけれど。篇中、もっとも「らしさ」が出ていると思ったのは、第24回「地下鉄銀座線における大猿の呪い」か。また、ほとんどの男がアンダーパンツを自分で選んで買わない(第19回「小確幸」)というのは、そうだったのかと意外だった。男性のみなさん、そうなんですか?2012/06/14

やっさん

145
★★ ここまで〝庶民的じゃない〟エッセイが他にあろうかと、読みながらつい笑いが出てしまった。村上春樹の小説を手に取る日がまた遠のいた。「NICE BOX」のトレーナーを着た女子の話は面白い。2019/05/25

優希

107
全てがお洒落ですよね。村上さんのショートエッセイに安西さんのポップなイラスト。日常のことを書いているのに、村上さんのフィルターを通すとちょっと変わった雰囲気になるのが不思議です。ユーモアを含んだ文章は独特の視点を感じます。海外生活が長いからかもしれません。リラックスしつつサクッと読めますし、味もあって面白いです。2015/12/09

コットン

98
昔読んだはずなのに、良く思い出せないのと(エッセイとはそんなものかも…)ゴールデンコンビの安西画伯を偲んで購入。ウォークマンの話が時代を感じさせるが、村上さんがもし作家になっていなかったら「カンガルー日和」という不思議な店名が存在していたかもと思うとそれはそれで楽しそう!!2014/08/30

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