中公新書<br> 奈良時代 律令国家の黄金期と熾烈な権力闘争

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中公新書
奈良時代 律令国家の黄金期と熾烈な権力闘争

  • 著者名:木本好信【著】
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 中央公論新社(2022/11発売)
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  • ISBN:9784121027252

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内容説明

平城京への遷都で幕を開けた奈良時代。律令体制の充実期で、台頭する藤原氏はその立役者だった。唐の文物が輸入され、国際色豊かな天平文化も花開く。他方で長屋王の変、藤原広嗣の乱、恵美押勝の内乱など政変が相次ぎ、熾烈な権力闘争が繰り広げられた。飢饉や疫病にも襲われる。仏教を重んじ、遷都を繰り返した聖武天皇、その娘で道鏡の重用など混乱も招いた孝謙(称徳)天皇の治世を軸に、政治と社会が激動した時代を描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

111
副題に「律令国家の黄金期」とあるが、実際の奈良時代は血で血を洗う政治闘争が続いた。元明元正両女帝は不比等の神輿でしかなく、聖武天皇は優柔不断な無能者で、好悪の激しい孝謙(称徳)女帝は母の光明皇太后没後はやりたい放題だった。トップがこの有様なのに勢力争いから皇太子を決められず、権力を握った長屋王、藤原仲麻呂に道鏡も権力争いの果てに殺されるか失脚し、藤原四兄弟も伝染病で亡くなるまでは内訌を抱えていたのだから。いくら律令を整えても政治に関する規定がなければ属人政治と化す、未熟な国家体制の実態を赤裸々に描き出す。2023/02/09

Shoji

38
奈良時代の皇位を巡る争い、皇嗣の位置を巡る争いが書かれています。奈良時代の政争がテーマのようです。それはそれで良かったですが、何分ニッチ。少し奈良時代を勉強された方向けです。為政者はなぜ皇位にこだわるのか、そんなに権力が魅力的なのか。奈良時代の歴代天皇といえば、政策よりも政権争いというイメージが確かにあります。聖武の大仏さんにしても、目的は権力の誇示だしなあ。極めつけは称徳と道鏡か。みなさん策士ですわ。少しは、石に噛り付いて真っ当な政治をしなさい。今の日本のでたらめ政治の礎は、案外、奈良時代だったり、、、2023/12/28

みこ

34
奈良時代を丸々統括。天武天皇の血統を護るべく夭折した子の代わりに即位した元明天皇の時代に始まった奈良時代が、天武の血統が途絶えた称徳天皇の死をもって終焉を迎える過程は感慨深い。一枚岩だと思っていた藤原四兄弟が北家の房前だけ対立していたことなどは新鮮な情報。丁度一人の人間の寿命分の長さなのに常に誰かと誰かが争っていた意外と血生臭い時代だった。2022/12/29

ぽんすけ

23
ざっくりとした通史でとてもわかりやすかった。自説にも言及しているものの、その他の学説の中の一つという感じに書かれているので著者の我は感じずつっかえずに読めた。ちょっと前に読んでいた本の著者がさわるものみな傷つけちゃうタイプのギザギザハートの持ち主で読むのに大変なパワーを要したので、これくらいさらっと書いてくれる方がこちらも色々考えれて良かった。しかし奈良時代って人がバンバン死ぬドロドロ政争の時代だよね。摂関政治のことを権力の独裁だと思ってたけど、政治の型ができて安定するってのも悪いことばかりじゃないかも。2023/08/08

coolflat

21
10頁。大宝律令は、唐の高宗の永徽(えいき)年間(650~655)に成立した「永徽律疏(えいきりっそ)」と「永徽令」を参考にしているといわれる。「飛鳥浄御原令」と大差ないとされてきたが、位階制や管制などは大幅に異なっており、これは律令体制を形づくるうえでの基本的な路線の継承をいっていると理解すれば、政治制度に画期的な影響を与えて、新しい律令国家の成立をもたらしたといってもよく、新都平城京への遷都によって奈良時代の国家運営の基礎となった。2023/12/23

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