角川ホラー文庫<br> 火喰鳥を、喰う

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角川ホラー文庫
火喰鳥を、喰う

  • 著者名:原浩【著者】
  • 価格 ¥792(本体¥720)
  • KADOKAWA(2022/11発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041127445

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内容説明

全ては「死者の日記」から始まった。これは“怪異”か、或いは“事件”か。

選考委員、激賞!令和初の大賞受賞作!
「恐怖と謎がしっかりと絡んでいる。ミステリ&ホラー大賞にふさわしい」――有栖川有栖氏
「謎への引きこみ方が見事。読了後は心地よい酩酊感に襲われました」――辻村深月氏

信州で暮らす久喜雄司に起きた二つの出来事。ひとつは久喜家代々の墓石が、何者かによって破壊されたこと。もうひとつは、死者の日記が届いたことだった。久喜家に届けられた日記は、太平洋戦争末期に戦死した雄司の大伯父・久喜貞市の遺品で、そこには異様なほどの生への執着が記されていた。そして日記が届いた日を境に、久喜家の周辺では不可解な出来事が起こり始める。貞市と共に従軍し戦後復員した藤村の家の消失、日記を発見した新聞記者の狂乱、雄司の祖父・保の失踪。さらに日記には、誰も書いた覚えのない文章が出現していた。「ヒクイドリヲクウ ビミナリ」雄司は妻の夕里子とともに超常現象に造詣のある北斗総一郎に頼ることにするが……。 ミステリ&ホラーが見事に融合した新鋭、衝撃のデビュー作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

311
原 浩のデビュー作。第40回(2020年)横溝正史ミステリー&ホラー大賞を受賞。タイトルに惹かれて読んだのだが、読む前は民俗学的な内容のものを想像していて、まさかこのようなオカルト&ホラーだとは思いもよらなかった。オカルト系は実に久しぶり。あまり読まないジャンルなので比較はしにくいが、全体の構成の緻密さと、登場人物たちと共に読者をも追い込んでいく展開はなかなかに見事なもの。デビュー作とは思えない力量である。こうしたオカルト系列の作品の場合、現実的な整合性は必要としないかわりに、物語の論理としての⇒2025/12/23

bunmei

133
『横溝正史ミステリー&ホラー大賞』を受賞し、いきなり映画化もされた話題作。久喜家の戦死者の日記が発見され、同時に墓石が破壊された事に端を発し、久喜家の周辺で次々と起こる不可思議で凄惨な出来事。日記に纏わりつく『籠り』によって狂乱し傷つく者、毎夜うなされる悪夢、日記の最後に浮き出た「ヒクイドリヲクウ ビミナリ」の怪しい文字、そして生存をかけた別世界の出現、どれもが怪奇と恐怖を孕ませて、次への展開へと導く布石となっている。オカルト的な怨念や謎を感じさせる内容は、正に『横溝…大賞』に相応しいミステリーホラー。 2025/10/18

Kanonlicht

103
映画の予告を見て気になったので手に取った。南方で戦死した大叔父の名前が墓石から削り取られ、同じタイミングで発見された従軍日記を読んだ人たちに次々と不幸に見舞われていく。死んだはずの人間が現実を侵食していくパラレルワールド的ホラー。読者が信じこまされていたものがひっくり返るラストシーンは見事。信州を舞台にしているので因習系かなと思ったけれど、あまりそこは関係なかった。2025/07/27

ヒロ

98
恐さが徐々に大きくなって最後にとんでもない事が…という展開で読む手が止まらないといった感じでした。日記と火喰鳥でこんなにも恐ろしい話が作れるのがホントに凄いと思いますし、色々な伏線が回収される展開もまた面白かったです。これは人間の執念がとんでもない出来事を引き起こすといった感じでその執念の深さというか、そういった人間らしさみたいなものが大きく関わっていて、それをこれでもかというくらい感じさせられた作品でした。2025/05/06

りゅう☆

75
久喜家の墓石から雄司の戦死した大伯父貞市の名が何者かによって削られた時、貞市が生前綴ってた日記が見つかった。それを読んだ日から雄司の周りで怪異が起こり始めた。貞市最期の日、日付だけ書かれたページに雄司の義弟亮が無意識に書いた「ヒクイドリヲ クウ ビミ ナリ」。その日記は貞市の生への執念が籠っていた。祖父の失踪、生きて帰還した仲間宅が火事、日記を一緒に読んだカメラマンが急変、そしてまた一人…。貞市が蘇った?怪奇現象に詳しい北斗が加わるも、彼は雄司の妻夕里子に好意を抱いている。そして雄司のいる現実と食い違う→2025/07/19

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