内容説明
大阪府、大阪市の行政をはじめとして、警察、国税、そして芸能界までに太いパイプを持ち、バブル時代の関西圏に多大な影響力を及ぼした財団法人「飛鳥会」理事長・小西邦彦。三和銀行(現・三菱UFJ銀行)淡路支店取引先課長に着任した岡野義市の最大の使命は、その「同和のドン」の懐深くに飛び込むことだった――。これまで「謎」「タブー」とされてきた、メガバンクと同和団体幹部の暗部に切り込む超弩級のノンフィクション。初めて明かされる「同和のドン」とメガバンクの「蜜月」とは!
●飛鳥会事件、闇に葬られた銀行との蜜月
●たたき上げ銀行員の出世と、引き継ぎノート
●賭けゴルフ、一打150万円のパット
●エリート銀行員「排ガス自殺」の深層
●「銀行を儲けさせただけやないか」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
緋莢
23
部落解放同盟飛鳥支部長・小西邦彦。大阪府、大阪市の行政だけでなく、警察、国税、芸能界にまでパイプを持ち、多大な影響力を及ぼす人物だった。後に、理事長を務めた財団法人「飛鳥会」による行政がらみの業務上横領事件で逮捕された小西、その小西と「蜜月」とも言える、深い付き合いのあったメガバンクがあった。三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)。その淡路支店の小西の窓口担当の“汚れ役”として付き合った岡野義市への取材から浮かび上がったものとは?2016/10/12
キタ
16
世の中全て表と裏があるのがよく分かるノンフィクション。良書。 飛鳥会事件の詳細がもう少し書かれてるともっと良かったけれど。 何故それまで警察も知っていながら黙認していたのが事件になり明るみになったのかの辺りがもう少し知りたかった。2024/12/14
うつしみ
15
元ヤクザのおっさんが利権を武器に一時は大阪の頂点に上り詰めたという話。恫喝だけでなく銭の使い方、人の丸め込み方が絶妙だったようだ。行政も銀行も政治家もヤクザも土建屋もみんなこの人物に乗っかって一儲けを企む中で、大阪の街が作られていった。貧困から這い上がるルサンチマンと、それに圧されながらも上手い事利用しようとするエスタブリッシュメントと。カオスな様に見えて全体としては何だかんだで一方向へうまく纏まる日本社会。歴史として見ると、バブルさえも菊と刀の連環という日本史の大きな流れの一変奏曲に過ぎない様に思えた。2024/05/24
モリータ
13
◆単行本2009年、文庫2010年刊。著者はフリーのノンフィクションライター。◆飛鳥会事件で2006年に業務上横領・詐欺罪で逮捕された当地の同和団体のボス・小西邦彦と、その担当窓口だった三和銀行(現東京三菱UFJ銀行)の特異な関係性を、「汚れ役」として支店取引先課長時代から小西と深い関係を持っていた行員・岡野義市へのインタビューをもとに構成する。◆尾上縫事件などバブル期の他の事件に話が行ったりして内容がやや散漫・牽強付会なのと、小西個人の伝記の方に興味があったのでちょっと物足りなかった。角岡伸彦著に期待。2021/04/13
Åκ
9
人間の持つ醜さを表した本でした。残念な内容ですが、お金に翻弄されるのはエゴの塊なんだと思う。それは、ある意味、正直であるけど、それが正解ではないのは誰もが知っている。2019/03/19
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