内容説明
「二本ある手のどちらかは誰かの為に使えるように」――六輔流ボランティアのある生き方
「生きているのではない生かさせていただいているのだ」父の口癖だった。
「二本ある手のどちらかは誰かの為に使えるように……」これも父の口癖。もの心ついたときからボランティアの仲間に囲まれていた。ボランティアというのは「生き方」なのだということも教えられた。だからといって、ボランティアだけで生きてきたわけではない。音楽、放送、出版、いろいろなジャンルですぐれた仲間と出逢い、ラジオを中心に、印税という収入も増えた。
『「無償」(ただ)の仕事』というタイトルを誤解しないでいただきたい。僕の場合、決して、立派な「無償の仕事」ではない。落語のなかのセリフだが「いただけますればいただきますが いただけませんければいただきません」に通じている。
●「頑張ってください」
●する側、される側
●いい割りばし、悪い割りばし
●鬼のような人
●お寺とボランティア
●だめなお母さん
●腑に落ちないサービス料
●ハガキの点滴
●「雨ニモマケズ」
●四天王寺の精神
目次
第1章 ボランティアをする人たち
第2章 地球を愛する
第3章 「弱者」か「くせ者」か
第4章 それがあたりまえ
第5章 正しいか正しくないか
第6章 「死にませんよ」
第7章 小さないい話
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
26
ボランティアに関わる問題と個人のプライバシーの問題に著者は切り込んで行く。20年前の内容なので、プライバシー、ボランティアに関わる問題の半分は改善したように感じる。文章が下手なのか、話し言葉の形で書かれている。また、いまだに組織的な問題はあると感じた。2017/01/31
しんしん
6
阪神大震災のボランティアなど、様々なボランティア活動に携わってきて、それにまつわる心持から問題点などざっくばらんに話している。 謙虚なボランティアとして周りに笑顔を生み出したい。2016/01/19
takao
3
ふむ2023/12/12
Tai
3
流石っす、読みやすい。好意の押しつけになってしまうかもしれない、ボランティアってのも難しいものだ・・・2015/08/24
つちのこ
2
この本は、六輔流ボランティアのある生き方ーと題してラジオやライブのトークショーで著者が喋った話がまとめられている。 既に頑張っている人に対して“頑張ってください”は不用意な言葉ではないか?と投げかけ、ボランティアとは“生き方”であり、売名行為であってもいいのだと説く。現代の語り部ともいえる著者独特の言い回しにどんどん引き込まれていく。さらりと読めてしまうが、“おしつけ”ではなく“やさしさ”から出てくるボランティア精神とはなんぞや?という意味を考えさせてくれる一冊である。2000/04/30