何もしないほうが得な日本 - 社会に広がる「消極的利己主義」の構造

個数:1
紙書籍版価格
¥1,089
  • 電子書籍
  • Reader

何もしないほうが得な日本 - 社会に広がる「消極的利己主義」の構造

  • 著者名:太田肇
  • 価格 ¥950(本体¥864)
  • PHP研究所(2022/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569853437

ファイル: /

内容説明

橘玲氏推薦! 貧しいニッポン、働かないおじさん、無気力な若者、進まない女性活躍……。実態とは裏腹に、「失敗を恐れないチャレンジ」「イノベーション」といった威勢のいいスローガンが虚しく響く。なぜ、ここまでに理想と現実がかけ離れてしまっているのか? 乖離の理由は、多くの日本人が消極的利己主義――すなわち自己利益と保身のために、現状を変えないほうが得だという意識を潜在的に持っているためだ。多くの日本人は、その事実に気づいている。しかし、あえて口にはしなかった日本人の胸裏に隠されたタブーを、本書は大規模アンケート調査により浮き彫りにする。そして、その背景にある「全体主義のパラドックス」についての打開策を提示する。日本の組織が積極的に挑戦する空気を生むために、必要なこととは?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tamami

69
以前からの国際競争力の低下や活力の減少などに加え、コロナ禍での経済の縮小、地域の祭りなどの中止も相次ぎ、衰退する日本が現実のものになりつつある。本書は今も尚手をこまねいている人々が多数を占める社会の構造にメスを入れ、「するほうが得」な仕組みについて考えていく。会社や組織の性向分析は納得するも、戦後社会の歴史的な枠組みについての提示も必要ではないか。恐らく決定的な解決策はないだろう。「何もしないほうが得」な社会は遠からず消滅するとの認識を持ち、一人一人が何ができるのか考え、実践していくことがまずは第一歩か。2022/11/22

ニッポニア

58
同調圧力の国で、どう足掻くのか。以下メモ。何も欲しがらない若者が消費を冷え込ませ、主体的な学びが看板の教育で、学生は受験に関係ないことに無関心。個人への責任追求が萎縮を招き、公務員はやる気を失っていく。義務に対する権利、怠慢に対する監視、相互不振に基づく悪意の入り混じった関係に移行し、行き着く先は官僚主義。笛吹かれても、踊りたくない。得意を明かすと余計な仕事が回ってくる。入試対策としての自発的な活動、という空虚な時代へ。記事のままの人間的要求が手綱から解き放たれた奔馬のように、野放図に頭をもたげてくる。2024/08/16

ひこうき雲

57
組織の中で、新しいことやりたいと言い出しても「じゃあお前がやれ!」って言われるだけだしね。今でも十分忙しいし、皆を動かすのもパワーがいるし。でも、組織にいれば何かあれば守ってくれるし、そこから出ていくのは、あまりにもリスクが高すぎる。つまり「何もしない方が得」ということ。あらためて言わなくても、皆分かってると思うけど。2023/02/24

HMax

47
「失敗を恐れず、大いにチャレンジしてください」予算の時期になると必ず出る言葉。予算を立てたら必ずチャレンジと言って上積みして差し戻しされる。チャレンジして失敗したら減点、成功しても大したこともなし、目標管理でも同じ。だからフルスロットルは禁物。うちの会社だけではないと知って安心。って安心してる場合ではない。子供の時代もこんな状態だと失われた50年になってしまう。なぜこんなことになってしまったのか?組織や社会が存続し繫栄するための意志を欠いていたから、ということは私にも責任がある。私の代で食い止めよう。2024/07/11

レモン

43
なぜ学校で生徒たちは誰も手を挙げないのか、なぜ失敗を恐れず挑戦する人が少ないのか。やる気のない人が増えたからではなく、日本の構造上の問題と著者は指摘する。解決策としては、面倒がらずに小さな声からでも少しずつ変えていこうと行動することに尽きるのだろうか。ゴールまで遠すぎてモチベーション維持が困難と思ってしまう。私自身、やった方が結果として自分にプラスになると気づいたのはごく最近。それでも周りの空気を読んでからでしか手を挙げられない。染みついたマインドは容易には変えられない。2024/06/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/20254057
  • ご注意事項

最近チェックした商品