内容説明
イヌ研究の第一人者による傑作ポピュラー・サイエンス 古代エジプトの碑文の解読から、保護犬との生活、脳のMRIスキャンまで。イヌの愛情の秘密を様々な実験を通じて解明する意欲作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
68
犬好きな人にぜひ読んでほしい本になっている!犬といえば太古の昔から人間ともに過ごしてきた動物の1つ。その犬についてあまり知らないことが多い。この本は犬の行動や愛情表現などの認知行動についてまとめた科学書になっている!まず私自身犬が苦手である。昔噛まれたときの悪いときのイメージが残っている。だかこの本を読むと犬って本当愛おしい!苦手な意識が完全に消えたわけではないがそばを通ったときは飼い主さんとお幸せにって心なかで投げかけたくなるような気持ちになっている!ぜひいろんな方に読んでほしい!2023/03/17
ローレンツ🐾
23
原題【DOG IS LOVE(犬の愛)】 犬に愛があるのはわかりきっていたことではあるが、その愛を科学で証明する。やはりこれほどに他種へも愛情を持つ動物は他に類をみない。 愛犬家なら必ず読むべき一冊。 私たち人間は彼らのことをもっともっと学ばなければならない。 彼らは常に私たち人間以上に学んでいる。2023/11/28
佐倉
14
エレベーターで乗り合わせた知らない犬が懐っこく指を舐めてきたことがある。事程左様に飼い犬は友好的なケースが多い。その懐っこさについて心理学や脳内物質、遺伝子や考古学などから分析していく。興味深かったのは犬と狼を分ける遺伝子WBSCR17について。これは過度に社交的なことが多いウィリアムズ症候群患者と共通した遺伝上の特徴であり、性格や行動の傾向も共通点があるという。愛着行動が幼児と近かったり親愛の情を感じる時にオキシトシンの分泌されていたりと人間と犬は思っている以上に近い存在なのかも知れないと思わせる一冊。2025/01/30
春色
5
犬は人懐こい。いつも惜しみなく愛情を表現し、伝えてくれる。その愛のしくみについて解明しようとする研究を追っていく本。興味深かったのは以下の4点。①犬の家畜化プロセスについて、一般には人間が人懐こい犬を選んで交配したと信じられている。しかし、筆者によると、犬の祖先は狩猟採集時代のゴミ捨て場をエサをもとめてうろついていたのではないかという。その後人間の狩りについてくるようになった。②犬にはウィリアムズ症候群(様々な症状があるが、中でも過剰な社交性が目立つ)の患者と遺伝子上の類似がある。③MRIで頭のスキャン2025/03/24
白いハエ
5
「イヌには人を愛する能力がある」という科学的な手続きで記述するにはナイーブにすぎる結論が、実に見事に明かされている。人の子供と似た結果を示す行動実験、人とイヌ共に見られるオキシトシンの分泌、人にも見られる過剰な社交性をもたらす遺伝子配列、数々の定量的な知見から「イヌの愛情を疑うことは、あなたの身の回りの人の愛情を疑うことと変わらない」というアクロバットな方法でこの命題を訴えかける。餌にありつくための習性というのなら人間の社交性だって一緒ではないか、と、犬を見つめる眼差しが人間にそのまま返ってくるのだ。2022/11/28
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