アインが見た、碧い空。 - あなたの知らないベトナム技能実習生の物語

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アインが見た、碧い空。 - あなたの知らないベトナム技能実習生の物語

  • 著者名:近藤秀将【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 学而図書(2022/11発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784991209147

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内容説明

小説×解説で、技能実習制度の本質がわかる。

──夢やぶれた技能実習生が、未来を取り戻す物語。

技能実習生として日本で働く道を選んだアインは、単純労働の繰り返しの果てに、ひとつの事実に気づく。彼女の将来の可能性は、もうどうしようもないほどに行き詰まってしまっていた。

実習生の挫折と再起を描く「小説」と、元・実習生の再教育に取り組む著者による「解説」が、技能実習制度の本質を明らかにする。制度の真の問題点「キャリアの搾取」と、それが日本社会に残す負の遺産とは何か。そして、日本とアジアの豊かな未来を実現するためには、いったい何が必要なのか。

【著者】
近藤秀将
特定行政書士、社会学者、小説家。ベトナム国立フエ科学大学特任教授、立教大学平和・コミュニティ研究機構特任研究員。1978年生まれ。早稲田大学教育学部を経て、M.A. in Sociology(立教大学)、現在東北大学大学院教育学研究科博士課程後期課程に在籍。2012年に「行政書士法人KIS近藤法務事務所」を設立、中国・モンゴルをはじめとしたアジア圏の専門家として、イミグレーション法務等を中心に幅広く活動している。著書に『外国人雇用の実務』(中央経済社)ほか多数。

目次

はじめに
主な登場人物

第1部 碧い空の上。tr n b?u tr?ixanh.
解説Ⅰ アインの決断──ベトナム技能実習生
解説Ⅱ 技能実習制度──「現実」の歪み
解説Ⅲ 「問い」から見えるもの
解説Ⅳ 呪縛

第2部 碧い空の中。tr n  ??ng  ?n b?u tr?ixanh.
解説Ⅴ 行政書士と在留資格制度
解説Ⅵ 「ベトナム人犯罪」
解説Ⅶ 評価されるキャリア
解説Ⅷ 技能実習制度の歪み、その正体。あるいは、文化資本のギャンブル的変容。

第3部 碧い空の下。d??i b?u tr?ixanh.
解説Ⅸ 在留資格制度における〈実務経験〉と〈上陸拒否期間〉
解説Ⅹ 評価されるキャリアと日本の実像
解説  日本の「簿外債務」=負の社会関係資本

エピローグ アインが見た、碧い空。
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ましゃ

20
本書の内容はガチです。小説+解説という変わった作風ながらも、とても勉強させられました。技能実習生は、実は「出稼ぎ」目的である。単純作業ばかりやらされ学ぶべきスキルは得られていない。「先進国・日本」という怠慢から、技能実習生に対して搾取…所謂、キャリアの搾取が行われている。技能実習生として学ぶべきは「評価されるキャリア」である。「出稼ぎ」としては成功しているため、あまり問題視されていない。日本はもうベトナムに対して、友好国と名乗るべきではない!失礼だ。そんな優位性はとっくに無い。呪縛から解き放つべきである。2023/01/14

belalugosi6997

17
「年間5指に入る名著」と言って憚れない。「真の搾取者」「親日国」「簿外債務」「評価されるキャリア」、紋切型の「現代の奴隷制度」「第2の慰安婦問題」では収まりきれない。ややもすれば、受入企業が槍玉に揚がるが、それは高見の聴衆でしかない。用語が解説付なので、ありがたいほど理解が深まる。見事なまでに日本の病巣を表現してくれている。少なくとも私には「勝組はいない」としか読めなかった。もう、日本は先進国でも無ければ、一等国でもない、アジアの劣等生。行政書士を目指す、貴方、弱い立場の人を救って下さい。ベスト著書。2023/05/02

羊山羊

17
ベトナム人技能実習生たちが、技能実習制度に個をすり潰された後とその回復に視点を当てた青春群像劇。個VSシステムに集中していて、日本社会の不都合が徹底して技能実習生たちに押し付けられていることを表現している。印象的なのは技能実習生たちを雇用する企業を一方的に悪と決めつけていない点。P89(下請けからの脱却)と高粗利化が必要と述べ企業システム自体に暗に批判を表明する点だ。また、本著は外国人在留資格を巡る非常に分かりやすい解説本としても機能している。興味ある方はオススメ。2023/03/11

ドラマチックガス

13
素晴らしい本。分厚さに少しうろたえたが、全く苦にならなかった。小説パートと解説パートで話が進んでいく。多くの人に手にとってほしい。それはそれとして、「技能実習生問題における真の搾取者」については異議がある。他人事ではないんだという点では大事だと思うけど、やはりこれは責任の所在を曖昧にしてしまう。また、社会的な構造の問題と、個々の酷い事例をわけて考えるというのも、逆に構造の問題を過小評価しているように思う。特に「日本人のアジア人に対する根拠のない優越感」を問題にするなら、両者はひとつの問題としてみないと。2023/06/30

kenitirokikuti

11
図書館にて。はじめにざっと読んだあと、情報小説としてノートを取りつつ再読した。著者の本業はあくまで行政書士であって移民ものノンフィクによくある(福祉寄りの)リフュージやイリーガルに焦点を当てたものではない。正直なところ、技能実習生を不法滞在外国人労働者の代替に使われちゃ、著者の仕事にマイナスを押し付けるも同然だから困るってのも本音だろうと思う▲私は大学中退して有効なキャリア形成に失敗した身なので、ちょっと微妙な気持ちにはなった。まぁ、労使問題にマスターキー的な解答は存在し得ないから、ないものねだりである2025/03/16

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