中公新書<br> 国鉄―「日本最大の企業」の栄光と崩壊

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中公新書
国鉄―「日本最大の企業」の栄光と崩壊

  • 著者名:石井幸孝【著】
  • 価格 ¥1,210(本体¥1,100)
  • 中央公論新社(2022/11発売)
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  • ISBN:9784121027146

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内容説明

1949年に誕生した国鉄は、復旧途上の設備で旅客・貨物輸送を一手に担い、戦後の高度成長を支え、新幹線もつくった。「鉄道は国家なり」であった。だが交通手段の多様化でシェアは低下、自立的な経営もままならず、赤字が雪だるま式に増え、労使関係も悪化、ついに1987年に分割民営化された。今、人口減、IT化、コロナ禍を受け、鉄道は再び危機に瀕している。国鉄の歴史に何を学ぶか、JR九州初代社長が明かす。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

131
国鉄の成立ち、転落の道のり、分割民営化の成果、今後の課題などが多角的に語られる。著者は、国鉄の常務理事歴任後、分割民営化で初代JR九州社長。学者や評論家の解説ではなく、内部の人間としての筆には臨場感がある。経営感覚が欠如していた旧国鉄の体質に対しては、牽強付会になることなく自戒を込めて反省するが、愚直で勤勉な国鉄マン(特に技術屋)には深い理解と愛情に溢れていて、著者のお人柄が伝わってくるような文章。地球環境、物流時代の到来を見据えて、新幹線物流を含む鉄道貨物への熱い思いにも説得力がある。これはいい本だ。2023/01/19

kinkin

117
戦後国鉄の創世記から様々な問題や課題を抱えながら民営分割化されJRとして再出発し現代に至るまでが書かれている。国鉄といっても若い子は知らないと思うが、とにかく人員が多かっのとサービスはほとんど無くて今ならお客様だが当時は利用者と読んでいた。寝ていても検札で起こされたり、駅員に尋ねごとしても顎で指図されたこと数しれず。(ご家族に国鉄マンがいる方、気分を損ねないでね)今なら無人駅の小さな駅にも駅長さんがいたなあ。小荷物を持っていったら奥で将さしていたし。ただそういう時代背景があったのだろうな。図書館本2022/11/02

あすなろ@no book, no life.

105
元国鉄職員・JR九州社長である筆者が著述する国鉄の沿革。新書にしては厚めの382頁ではあるが、僕は興味深く読了した。知っている様で知らない国鉄。僕の年代からするとそんな印象である。国鉄からJRになったのは中学生ぐらいか。職員が62万人を超えた公共企業体国鉄。そのJRへの移行時には環境が出来ていなかった点・末期には総裁のなり手がなかった・戦後復興期・国産ディーゼル車開発・労働組合等多岐に亘り内部を知り得ている方ならではの記述満載であり、興味惹かれることこの上なかったのである。2023/04/27

skunk_c

83
キャリア国鉄マンでJR九州のトップを務めた現在90歳の著者が、戦後の国鉄という公社誕生のいきさつからその解体過程を丁寧に描く。ご自身が関わった気動車の話は鉄道好きにはたまらないと思われる。しかし本書の魅力は、これからの鉄道のあり方への提言だと思う。人口減の中需要が減る新幹線の人輸送から、そのネットワークを生かした高速物流への転換を求める。しかも具体的な手法もあげられていて、特に航空機・トラックなどとの共通コンテナの提案には思わずうなずいてしまった。ちょっと厚みがあるけれどその分充実した良書だ。2023/02/20

ゲオルギオ・ハーン

34
著者は国鉄時代から技術者として働き、民営化後はJR九州の社長もしたという今年90歳の方だ。多彩な経歴と豊富な人生経験のためか内容のまとまりが悪い。最初は思い出的なノリだが、旅客関連を置いといて、ディーゼル機関車を熱く語りだし、次に貨物の話に移ったあたりで「ん、なにが書きたいんだこの人」と読んでいるこちらが焦る。コンテナ輸送が中心になっている世の中の流れから隔絶してヤード式貨物輸送を1984年までやっていて慢性的な大赤字の原因となっていたなど話のネタとしては面白いところがいくつかある。2022/10/17

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