内容説明
内戦が代理戦争の様相を帯びるとき,泥沼の悲劇が引き起こされる.ウクライナのドンバス紛争から二〇二二年の戦争に至る過程には,シリア内戦と同様に諸外国が介入してきた.ウクライナは「第二のシリア」になってしまうのか.ロシアのシリア内戦への関与を洗い出し,両国の関係から,ウクライナ侵攻の実相に迫る.
目次
はじめに
凡例
第1章 干渉国から「侵略未遂国」へ
1 近代との遭遇 「東方問題」と宗派主義
2 ロシアの離脱
3 シリアとは?
4 フランスの委任統治
5 ヨーロッパから移植された混乱の火種
第2章 友好国,同盟国から主権の「守護者」へ
1 友好国,同盟国となったロシア
2 勧善懲悪と予定調和で理解された「アラブの春」
3 シリア内戦
4 グレード・ダウンされる介入の根拠
5 主権に基づくロシア,イランの介入
第3章 知が裏打ちする怒り,怒りを支える無知
1 主戦場となったウクライナ
2 集団ヒステリーに苛まれる欧米諸国
3 知がもたらす感情移入と差別
4 デフォルメされる現実
5 黙殺される違法行為
第4章 弱者による代理戦争
1 三者三様の反応
2 行き過ぎた人道主義
3 「国際義勇軍」派遣の動き
4 ロシアの傭兵
5 シリア政府支配地の機運に乗じるロシア
おわりに
あとがき
略年表
参考文献一覧
人名リスト・事項リスト
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gokuri
4
この本を読むまで、シリアに関する知識な皆無だった。 ロシアのクリミア併合の重大さが、当時なぜ日本で報道されなかったのかと思いつつ、今回のウクライナ侵攻について少し考えたいと思っていたところ、本書に出会った。 地理的背景、宗教的な複雑性もあって、シリアで大国間の代理抗争が続いていたこと、今回ウクライナに多数の「傭兵等」がシリアから派遣されているこなどを知り、600万人を超える難民を生んでしまったシリアを憂う。「第2のシリア」と呼ばれかねないウクライナの今後に注視しいきたい。2022/10/10
takao
0
ふむ2025/04/21
SUNDO
0
多極共存型民主主義/マルクス・レーニン主義の影響/アラブ社会主義/旗下集結効果/民間企業による自発的な情報統制/知に基づく感情移入/膠着という終わり2023/03/28
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