死刑のある国で生きる

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死刑のある国で生きる

  • 著者名:宮下洋一【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 新潮社(2022/12発売)
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  • ISBN:9784103548614

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内容説明

死刑を徹底的にオープンにするアメリカ。死刑容認派が8割を超える日本。一方、死刑を廃止したがゆえに加害者と被害者遺族が同じ町に暮らすスペイン。そして新たな形の「死刑」が注目を集めるフランス――死刑を維持する国と廃止する国の違いとは何なのか。死刑囚や未決囚、加害者家族、被害者遺族の声から死刑の意味に迫る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

fwhd8325

72
死刑が必要か否かという議論について、判断は迷います。ただ、現在の日本で、死刑が抑止力になっているかと言えば、なっていないと思います。刑を執行すれば、そこで終わってしまうように思います。むしろ、ずっと犯罪と向き合うことの方が必要なのではと思います。時に、被害者への発信も行うことが、更生への効果も得られるように思います。どちらにしてもそれぞれの立場で心情、考え方も違うことは当然です。最高刑が死刑であることが、むしろ犯罪を増やすことになっているように思います。2023/03/18

nyaoko

55
安楽死について様々な国のリアルを書いた作者が、今回は死刑制度についてを調べた。死刑はありか、なしか。それは正義か悪か。それにしても、犯罪者の刑罰や更生は、宗教や、歴史、国の財政等によってとても差がある。死刑制度のない国では終身刑があるが、例えばフランスではテロリスト等には容赦なく射殺する。即時射殺なんて日本では考えられない。それに、つい最近までギロチン処刑が執行されていた事にも驚いた。これを夫に話したら「切腹、特攻の国だぞ、ここは。海外から見たら衝撃だぞ」と。確かに…。この本も非常に感想が難しい。2023/02/10

ぽてち

36
死刑制度を存置しているアメリカと日本、廃止したフランスとスペインを主な取材先とした骨太なノンフィクション。宮下さんの著作を読むのは「安楽死」をテーマにした2作以来だが、取材対象者の言い分に振り回されず、自分の考えを押し付けるでもなく、とても冷静に書かれていて読みやすかった。犯罪抑止力としての効果や遺族感情として極刑を望むのはわかるが、人が人を裁けるのかという疑問は残る。死刑になりたかったという馬鹿もいるし、冤罪の可能性も否定できない。宗教や死生観も絡み簡単に答えは出せないが、外圧で廃止はなしにしてほしい。2023/01/14

遊々亭おさる

24
死刑は存置すべきか、それとも廃止すべきか。どちらの立場にも正義があり矛盾もある。正解の無い問いへの答えを求めて著者は死刑が廃止された国と存置されている国へ赴き、死刑囚や被害者遺族等への取材を試みる。主題には直接関係しないが、道徳的な生活を送ってきた男が凄惨な殺人に手を染めた事件は、誰もが殺人犯になる可能性を示唆した事件と言えようか。多角的な視点から罪と罰の有り様を捉えた本だと思うが、冤罪に関してスルーしていることが不満。仏での射殺事件は権力の危険性を表しているのでは。悪人正機説に則れば死刑は救いとなるか。2023/02/21

はるわか

13
死刑廃止が加盟条件のEU。死刑がある日本とアメリカ(22州は廃止)。アメリカ:銃による殺人の多い。銃器殺人件数(人口10万人あたり):アメリカ4.12人、フランス0.32人、日本0.02人。日本:悪いことをしたら自分で責任を取るべきという意識。法のルールの前に世間のルール。日本人は自分個人だけが良くても幸せを感じない。全体の協調性の中における幸せ。ヨーロッパ:個の世界。まず個人があってそれから社会がある。死刑は死刑囚のためにある(死に向き合い自省する)。死刑がなければ死に向き合うことはなく反省しない。2023/03/22

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