街の牧師 祈りといのち

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街の牧師 祈りといのち

  • 著者名:沼田和也【著】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 晶文社(2022/11発売)
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  • ISBN:9784794973375

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内容説明

「並外れた悩む力を持っている牧師だからこそ、 人の悩みを受け止められるのかも。 」
──帯文・末井昭

ネットで誰もが石を投げあい、誰もが傷つけあう時代に、牧師の祈りはいのちとつながっている。
かつて精神を病み、閉鎖病棟での生活も経験した牧師。何度もキリストにつまずき、何度もキリストと繋がってきた牧師が営む街のちいさな教会は、社会の周辺で生きる困難な事情を抱えた人たちとの出遭いの場でもある。宿を求めて夜の街で男をラブホにさそう少女、大人たちから裏切られ続け人を信用できなくなった青年、完治が難しい疾病で苦しむ患者、「いまから死にます」と深夜に電話をかけてくる人……。本気で救いを必要とする人びとと対話を重ねてきた牧師が語る、人と神との出遭いなおしの物語。

「本書のなかで、わたしは自分が遭遇し、巻き込まれてしまったイエス・キリストの話を語っていくだろう。それはキリスト教についての神学的な叙述にはならない。なぜなら、わたしがこれから話すことは、そのほとんどすべてが、目の前に現れた他人たちとの出遭いについてだからである。わたしにとって神について語ることはすなわち、目の前の人と出遭い、そこで生じた共感や対立、相互理解の深まりや訣別、その喜びや怒り、悲しみなどの、生々しい出来事を語ることだからである。」(まえがきより)

【目次】
まえがき──自由意志なのか。奴隷意志なのか。

■第1章 割り切れぬものを噛み締めて
アイドルとキリスト
ねえ、ラブホいかへん?
放っておいてくれませんか。あなたには分からない
わたしは償ったのか?
伴走し続けることの難しさ、大切さ
聖書のなかの「かわいそうランキング」
赦しを語ることができない

■第2章 背負えることと背負えないこと
結婚式の祝辞
「独りで抱え込まないで」の背理
こちらも無傷では済まない
誰がその責任を負えるだろうか
仏教的文脈のキリスト教
自分を責めてしまうことからの回復
わたしは加害者であり、被害者である

■第3章 いのり、いのち
彼女にはまぶしすぎた
十二使徒たちの確執
後にいる者が先になり、先にいる者が後になる
謝罪から新たな関係の模索へ
悔いのない人生はおくれるか
誰もが石を投げる時代で
キリスト教にはカルトになる要素があるのか?
あなたは憐れみの目を向けてはならない

あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

117
「牧師、閉鎖病棟に入る」の著者が、退院後、牧師に復職して書いたエッセイ。教条を確信をもって語る聖職者とは違い、自らの罪悪感、キリスト教への懐疑、牧師としての限界、世の不条理に対する無力感などに苛まれながら書かれた沼田さんの文章は、余りにも重く、心の中に鉛の塊を預かったような読後感である。聖書の九十九匹の羊の喩えで、群れから迷い出た一匹の羊は本当に「可愛い仔羊」だったのかと問われてハッとする。「割り切れぬものを噛み締めて」という章に置かれた文章だけに、著者の苦悩が胸に迫る。重いけれど心に響く一冊である。2023/02/15

ネギっ子gen

62
【遭遇の衝撃】精神科病院・閉鎖病棟入院の顛末を『牧師、閉鎖病棟に入る。』で綴った牧師が語る、人と神との出遭いなおしの物語。<本書におけるわたしは、いわば崩壊後の再建途上にある。回復を模索するわたしが、やはり傷ついた誰かと出遭う。そこでどんな言葉が交わされたのかや、なにを感じたのかが本書では語られている。消えない傷痕をさすりながら、崩壊する前の自分自身を振り返り再話している箇所もある。キリストに近づき、その信仰に熱くなっているところもあれば、冷めに冷めて、無神論に吸い込まれそうになっているところもある>。⇒2023/03/23

hide

17
引きこもりや閉鎖病棟入院を経験し、いまは東京にある教会の牧師となっている著者が、過去の経験や出会いについて書いたエッセイ集。文章は読みやすいのに読後感がとてつもなく重たかったのは、著者の苦悩・罪の意識・やるせなさが鋭敏かつ衒いなく描写され、自分自身が普段押し殺している悩みや罪悪感を見つめざるを得なくさせられるからだろう。/この本に突きつけられた問いはまだまだ自分の中で消化不十分ではあるが、今の読後感を忘れないようにしたい。2023/01/18

梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」

16
▼著者は現職の牧師。▼青年期に不登校や引きこもりを経験。牧師になってから精神を病み閉鎖病棟に身を置いたこともある。その体験や、困難な事情を抱える人々と向き合いつつ思索したことなどが綴られている。生々しい。▼自らの不甲斐無さや、人を傷つけ自らも傷ついたことも隠さず書いている。牧師としての建前は語らない。のめり込むように読んだ。▼著者が聖書の言葉や神を思いながら疑ったり悩む姿もみられた。一筋縄ではいかない事に向き合う中で、神が見えることもあるのだろう。そういったことを思わされた。聖書を引きながら読むべきだ。2023/09/09

Toshi53162606

14
作家の御田寺圭さんが以前から紹介されていた牧師の沼田和也さんの新刊。 著者の沼田さんがこれまでの過酷な生い立ちと、様々な事情を抱えた人々との出逢いを通して、キリスト教への希望と疑問を述べた内容となっている。 宗教の話になると、最近はごく一部のカルト宗教の影響によって、何ら問題のない信仰を持っている著名人までいわれのない誹謗中傷を受けている。 しかし、個人主義や民主主義を信仰し、音楽ライブやアイドルの握手会に駆けつけ、YouTuberやVtuberにスーパーチャットを投げている現代人は十分宗教的である。2023/01/25

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