内容説明
女性判事・片陵礼子の経歴には微塵の汚点もなかった。最高裁判事への道が拓けてもいた。そんな彼女はある男が気になって仕方ない。かつて彼女が懲役刑に処した元服役囚。近頃、裁判所の前に佇んでいるのだという。違和感を覚えた礼子は調べ始める。それによって二人の人生が宿命のように交錯することになるとも知らずに......。感涙のミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
のり
92
10年に一度の逸材と言われ判事となった「片陵礼子」。感情を忘れ、仕事と家庭生活を卒なくこなしていたはずが、過去に処した男が「門前の人」となった事で、己の中で眠っていた感情が動き出した。過去の事件の再調査を始めた中で、幼少期の境遇が似通っていた事と、悲痛な事実が浮かび上がってきた。惹かれる心と汚名を晴らしてあげたい心情が渦巻く。もう少しゆとりある時間をあげたかった。切なすぎる結末を向え、こちらも消沈した。2023/07/10
ふじさん
75
初読みの作家。33歳の東京地裁判事・片陵礼子は、地裁の前に毎朝のように佇む男の存在に気づく。2009年に雇い主を刺して死亡させた蛭間隆也。自分が下した判決に不服があるのか。気になって調べ始めた礼子は、やがて事件の驚くべき真相に探ることになる。長編小説ですが、平易な文章で読みやすく、一見単純そうな過去の事件が、実は悲しい真実を隠されていて謎解きの面白さと才色兼備のエリート検事と元受刑者という交錯しそうもない人生が絡み合い、緊張感に牽引されて、あっという間に読み終えてしまいました。最後が切なく哀しい。 2025/11/16
dr2006
61
圧巻!とても面白かった。感情は正しい判断を狂わせる。感情が合理的な判断を惑わせ間違いを起こす。検察官や弁護士が主人公はあるけど、判事が主人公の物語は初めて読んだかも。判事の片陵礼子は同情といった感情がジャッジを狂わせると考え、私生活でも人を避け、夫でさえ心を通わせることがない。そんな超正義の中心で生きる礼子の傍らに不穏な空気が流れる。かつて礼子が懲役刑に処した蛭間隆也が毎朝、裁判所の前に佇んでいるという。私の判決に不服?私が間違ったと抗議しているの?主題とは別に添えられた点景の美しさも作品の魅力。秀逸。2025/12/15
カブ
41
1年の終わりに素敵なお話に出会える幸せ。本当に読んで良かった。2022/12/18
肉嬢★
39
最後の解説の方も書いてましたが自分も初めてこの作品で作者を知りました。全体的に重い内容だったけど描写がとてもキレイで、そこまで重く受けず続きが気になり、どんどん頁を捲ってた。購入したきっかけはタイトルと、あらすじを見て即決!判事と元服役囚という設定が面白いな~と思い。裁判官はあまり馴染みが無いけど作中で分かりやすく説明されていたのでスラスラ最後まで読めた。礼子には自分の居場所を見つけて幸せに生きてほしい。他の作品も読んでみたくなった。2023/04/20
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