内容説明
子ども9人と大人3人を乗せた船が、スコットランドのヒルタ島から無人島へと出航した。孤島で海鳥を獲る旅が、この島の少年たちにとっては、大人への通過儀礼なのだ。だが、約束の3週間が経っても、迎えの船は一向に姿を現さず、このまま島から出られないのではないかと、不安が皆の心を蝕み始める。そんななか年長の少年のひとりクイリアムは、密かな決意を胸に、希望を捨てることなく仲間を励まし、生きのびるために闘うのだった。果たして迎えは来るのか? カーネギー賞受賞作。YAの名手が実際の事件をもとに描いた、勇気と成長の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
to_chan
10
十五少年漂流記と蝿の王、どっちの路線かなあどきどき……→蝿の王でした。 狂気と過酷な自然がシンクロする描写が壮絶すぎてむせる。 元になった史実が盛大なネタバレなので検索してはいけない!2023/04/19
ツバサ
8
設定や登場人物が魅力的で序盤は楽しめたが、中盤以降が読みづらかったです。2022/12/13
うー。
2
時間はかかったけど、読めてよかった。読みにくさを感じたりもしたけど、読めてよかったとしみじみ思った本。不思議な魅力のある本だった。読みにくさは、情景の描写が多くて感情の描写がないからかな。感情移入がしにくかった。幼い子どもはともかく、大人の方がもろいという皮肉。そして、救いのない状況だからこそ、人が物語を求める切実さが伝わる。ひとに物語を聞かせることができるのは、特殊能力なのかもしれない。人には想像力がある。なにか支えがあると、人は強くなる。「本当のこと」が書かれていると思った。2023/08/26
宵闇やもり
1
裏表紙を読んだとき、孤島(大きな岩場)にとり残された少年たちの成長と友情の冒険譚なんだと思っていた...見事に裏切られて、読み進めるのが辛いのに、読まずにはいられなかった。生きるにはやはり想像力が必要なんだ。それがまた人を人たらしめる理由なんだ。ヒルタ島には美しい言い伝えがある。「世界がおわっても、音楽と愛だけは生き残る」。でもその島には現在、音楽を奏でる人も愛を語る人もいない...「クイリアムは“物語の番人”だな」(P.145)2024/07/23
かーんたや
1
おそらく鳥といっしょに暮らしていると、自分の一部は鳥に変わっていくんだろう。石を投げつけられて当然の鳥に。2024/04/04
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