内容説明
王莽の台頭によって、官位についた兄たちに変わって、家主となった馬援は、馬の世話をし、田を耕し生活していた。しかし、敬愛する兄の死によって、故郷を離れ、北地で牧畜を営むことになる。馬援の牧場経営は軌道に乗り、大きな富を築くが、馬援はその富を皆に平等に分ける。各地で王莽への叛乱軍が蹶起し、かつての友、公孫述、隗囂らも兵を挙げるが、馬援は劉秀に惹かれ、共に天下統一の戦いに加わることになる。夜に輝く巨星のような馬援と、天高く上る日のような劉秀。互いを「君」「臣」と選び取った二人が挑む新王朝樹立の戦いのゆくえは。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiace9000
89
初めての宮城谷中国史作品、ついに手を伸ばしてみました。漢文を読み下すような硬質な文体と、広大で荒涼としながらも猥雑と混沌に満ちた後漢建国期の漢と臣、人々の熱を放つ蠢きがじんじん伝わってきて、"初読みならでは"の新鮮さ&醍醐味を堪能できました。折り折り現れる格言とも呼ぶべき人生訓、処世訓にはっと胸を突かれつつ、瞬く間に馬援その人に魅了され、一流のビジネス書としての力有を認識。人を観る炯眼、民を利する信念に基づく平等社会の実現と行動力に心酔です。後漢書の頃を描く宮城谷作品、よし!読み進めて行くことにしました。2022/12/18
巨峰
50
全然知らない人だけど面白かったな。三人の兄との関係や、作者が創造したであろう、若いころの流浪の話がすごく良かった。2025/02/24
星落秋風五丈原
38
新王朝後の混乱した時代劉秀に見出されながら途中で亡くなってしまう。馬超の祖。姓が馬だけあって牧畜でまず頭角を現す。2023/01/31
まえぞう
29
劉秀=光武帝、呉漢に続く後漢草創の物語第三段です。根付くがゆえに土地に縛られる農業とは異なり、牧畜は必要なら移動することができる。そんな馬援の生涯が優しい眼差しのもとで描かれています。激動期には多くの魅力ある人物が排出しますが、このような穏やかな傑物も現れるのですね。2022/12/18
ガットウ
19
★★★3.6点。馬援の偉さが、イマイチ分からなかったかな。2022/12/05
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