光文社新書<br> 「美食地質学」入門~和食と日本列島の素敵な関係~

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光文社新書
「美食地質学」入門~和食と日本列島の素敵な関係~

  • 著者名:巽好幸
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 特価 ¥473(本体¥430)
  • 光文社(2022/11発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334046378

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内容説明

日本独自の食文化、和食。出汁や醤油、豆腐に豊かな海産物は欠かすことのできない食材だ。なぜこれらの食材は日本で育まれたのか。その理由は日本列島にある。例えば、昆布出汁。軟水でこそその旨味を十分に引き出せるが、日本は活発な地殻運動により急峻な山地が形成されて川の流れが早くなり、ミネラルが溶け込む時間が短いために軟水が多いのだ。そんな和食と日本列島の切っても切れない素敵な関係をマグマ学者が丁寧に紐解く!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

118
特定の地域でのみ生産される食材はいくらでもある。土や水の違いによるとはテレビの料理番組でも紹介されるが、そうなった理由を日本列島の形成に始まる火山や地殻の変動から科学的に説明してくれる。急流の生んだ軟水が出汁や醬油を生み、プレート運動による大地の動きが豊富な魚介類をもたらし、日本海を作ったマントル対流がカニやホタルイカを特産品にしたのだから。地の果ての4つの島は地震や噴火など過酷な試練にもてあそばれた挙句、他にない美食の地になったのだ。その恵みを享受する日本人は、試練も続いているのだと銘記せねばならない。2023/01/29

アキ

117
日本列島の成り立ちから地質と日本料理の深い関わりまで誰かに話したくなる面白さ。日本は軟水なので昆布の出汁がうまい。急峻な地形と花崗岩など火山性岩石が理由。島豆腐と硬水、醤油と鉄分の少ない水、蕎麦と火山、江戸東京野菜と関東ローム層、うどんと瀬戸内海気候、瀬戸内海の魚介と変動運動、江戸前魚介と沈降域、三陸海岸の牡蠣と北上山地、山梨ワインと伊豆半島の衝突、サバ・ハマグリと日本のくびれ、カニと日本海、ホタルイカと海洋深層水、しじみと宍道湖地溝帯、アユと紀伊半島の巨大火山、日本酒と花崗岩。マグマ学者の美味しいお話。2022/12/26

なっぱaaua

57
地学の専門家が日本で何故美食が生まれるのかを紐解く著者の趣味の本。地質やプレートの動きが激しい日本だからこそ、多様な食が生まれるという。香川のうどん、瀬戸内・江戸前の魚介、三陸のいちご煮と真牡蠣、山梨のワイン、若狭から愛三岐のくびれの魚介、日本海のカニ、富山湾のホタルイカと岩牡蠣、宍道湖のしじみ、紀伊半島の鮎、花崗岩と日本酒。日本列島の変動現象、所謂地震というリスクを背負いながら、それが食の多様性に繋がるという事をとことん語ってくれるのが楽しかった。遠い未来プレートの力によって中部が沈むだろう。~続く~ 2022/12/08

Daisuke Oyamada

34
2024年、元旦から発生した「令和6年能登半島地震」この報道を見て思い出した本があった。『美食地質学 入門~和食と日本列島の素敵な関係 / 巽好幸』本の帯には「マグマ学者が紐解く、その恵みと試練 / なぜこれほど多彩なのか」とある。  本書で富山湾について触れているのを思い出したので再読してみました。富山湾は島国日本にあっても特異な存在。なんとその深さが1000m以上にも達する。伊豆半・・・ https://190dai.com/2024/01/01/「美食地質学」-入門~和食と日本列島の素敵な関/2024/01/03

さきん

32
出汁や豆腐、ワインなど、各地で栄える食文化の背景には、軟水や硬水という水質、さらにはそれを透過する地質が深く影響していることを詳しく解説している。気候だけでなく地質をよく観察すれば、その地域の特産物を当てることも困難ではない。良い本に巡り合った。何回か読み込んでいきたい。2022/12/12

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