自動車の操縦安定性 - 運動性能の力学的理解

個数:1
紙書籍版価格
¥3,850
  • 電子書籍

自動車の操縦安定性 - 運動性能の力学的理解

  • ISBN:9784339046748

ファイル: /

内容説明

車両諸元だけで判断できる固有の特性と,運動方程式を導いて求める応答特性とを基に,自動車の運動とそれが起こる理由を説明する。タイヤが力を出すメカニズムや,その力によって生じる運動の物理的な解釈を丁寧に解説した。

目次

0.イントロダクション
0.1 操安性に期待されている性能
0.2 時間応答波形
0.3 タイミング
0.4 系の安定性

1.運動方程式
1.1 座標系,名称,記号
1.2 車両固定座標系
1.3 タイヤが出すコーナリングフォース
1.4 二輪モデル
1.5 運動方程式の導出
 1.5.1 剛体の運動を表す式
 1.5.2 コーナリングフォースを表す式
 1.5.3 横加速度を表す式
 1.5.4 運動方程式
1.6 操安性におけるメカニカルなフィードバックループの構成
1.7 運動方程式の行列表現
 1.7.1 ヨーレイトが各運動に及ぼす影響(a11とa21)
 1.7.2 車体横すべり角が各運動に及ぼす影響(a12とa22)
章末問題
第1章コラム
コーナリングスティフネス等を左右二輪分にしている理由
タイヤ横すべり角の符号の定義
\.{β}のもつ別の物理的な意味
なぜγとβを使って,a_yを使わないのか?
a_21の中にある「-1」のもつ意味

2.車両固有の力学的性質
2.1 評価指標の概要
2.2 スタビリティファクタ
2.3 ステア特性
2.4 ニュートラルステアポイントとスタティックマージン
2.5 操安キャパシティ
2.6 収束係数
2.7 制振係数
2.8 旋回応答係数
2.9 評価指標のまとめ
章末問題
第2章コラム
カウンタステア走行中タイヤはどちらを向いているか
加速円旋回試験と定常円旋回試験の違いの本質
慣性モーメントの前後非連成近似
宮田の式(旋回を支配する三つの基本物理量)
安定性を力学的つりあいで考える

3.運動方程式に基づく操舵応答特性
3.1 伝達関数
3.2 定常特性
 3.2.1 定常ヨーレイトゲイン
 3.2.2 定常車体横すべり角ゲイン
 3.2.3 定常横加速度ゲイン
3.3 過渡特性
 3.3.1 ステア特性の影響
 3.3.2 車速の影響
 3.3.3 ステア特性と振動限界
 3.3.4 車両諸元の影響
3.4 状態速度ベクトル図
章末問題
第3章コラム
車速に関連する特性値に頻出するスタビリティファクタ
特性方程式の定数項とスタビリティファクタとの関係
市販車はなぜみなUSなのか(安定性だけではない役割)

4.運動制御
4.1 制御方式の分類
 4.1.1 フィードフォワード制御
 4.1.2 フィードバック制御
 4.1.3 条件付きフィードバック制御
 4.1.4 2自由度制御系(モデルマッチング制御)
 4.1.5 フィードフォワード制御とフィードバック制御の得失
4.2 車両運動制御の一般形(操舵制御,ヨーモーメント制御を例にして)
4.3 フィードフォワード制御の例(後輪操舵システム)
 4.3.1 後輪操舵制御
 4.3.2 一般的なフィードフォワード制御器の求め方
 4.3.3 前後輪操舵制御(フィードフォワードの組み合わせ制御)
4.4 フィードバック制御
 4.4.1 ヨーレイトフィードバック(後輪操舵制御)
 4.4.2 フィードバック制御による直感的な性能設計法(ブロック線図の等価変換)
 4.4.3 車体横すべり角フィードバック(ヨーモーメント制御)
章末問題
第4章コラム小さい制御入力でも効く微分制御

5.タイヤ特性
5.1 用語の定義
5.2 タイヤが力を出すメカニズム
 5.2.1 横力およびコーナリングフォース
 5.2.2 セルフアライニングトルク
 5.2.3 制駆動力の発生メカニズム
5.3 タイヤ摩擦円
5.4 コーナリングスティフネスの変化
 5.4.1 コンプライアンスステアによる変化(等価コーナリングスティフネス)
 5.4.2 接地荷重変動による変化
5.5 キャンバによる横力の発生
第5章コラム止まるためだけではないABS
じつはすべっていないタイヤ横すべり角

6.非線形解析
6.1 ハンドリング線図法
 6.1.1 線形域(旋回半径と横加速度の関係)
 6.1.2 非線形域
6.2 車体横すべり角・モーメント線図法(bメソッド)
6.3 状態速度ベクトル図法
6.4 等高線法
6.5 ハンドリング線図法,bメソッド,等高線法の3解析法の関係
第6章コラム図による解法で俯瞰的な理解を

7.車両特性と運転しやすさ
7.1 車体横すべり角と運転しやすさ
 7.1.1 横加速度の遅れの減少
 7.1.2 運動エネルギーの減少
 7.1.3 オーバーシュートの減少
7.2 位相遅れと運転しやすさ
7.3 安定性と運転しやすさ
第7章コラムシミュレータ実験を実車走行で行えるシミュレータビークル
操安性に必要な安定性とは?(収束できればOKか)
違和感の元はロール角かロール角速度か

引用・参考文献
章末問題解答
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

株式会社 コロナ社

0
コロナ社HP掲載のレビューより一部抜粋・改編 https://www.coronasha.co.jp/np/isbn/9784339046748/ 大体の本が数式で説明して終了とする中、本書では着目しているパラメータを増減させて、図にその変化を示し、車両としてどんな動きになるのかを非常に丁寧に説明している。 加えて素晴らしいのがコラムである。「カウンタステアのときタイヤはどこを向いているか」「市販車はなぜみなアンダステアなのか」など実は気になっていた部分を各章の最後で面白く紹介しており…2021/11/24

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/18580775
  • ご注意事項

最近チェックした商品