内容説明
謎に包まれた大王・継体天皇。応神天皇の五世の孫(五世代目の孫)とした日本書紀は真実を語っているのか。ヤマトから遠く離れた越(福井県)から継体が連れて来られたのは何故なのか。二十年間、ヤマトに入らずに淀川周辺を彷徨っていた理由は。そして、本当に王朝交替はあったのか? 大胆な考証で古代史最大の謎・継体天皇の正体を明らかにし、分断された王朝の謎に迫る刺激的書下ろし論考。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みこ
24
ヤマト建国の謎を継体天皇の正体を明かすことで読み解く。関氏の基本スタンスは藤原氏が自分が天下の覇者になるために日本書紀以前の歴史を捏造したと日本書紀の記述を比定するところから始まるので、基本的に想像と言えば想像なのだがそれでもロマンを掻き立てるので今後も追っかけていきたい。神功皇后が邪馬台国を滅ぼして台与を名乗ったという説も面白かった。2023/01/13
てん06
16
継体天皇はなぜわざわざ北陸の方からやってきて、20年も大和に入らなかったのか、という点は謎として語られることが多い。実は平和裡に皇位継承したのではなくそこには王朝交代があったという説をとっている。継体天皇に関連する豪族たちや、新しい時代に古いと見えるように擬作されたとされる寺や美術品などから、藤原氏が中心となって編纂した日本書紀は藤原氏に都合良い内容になっているとしている。そういう見方もあるかと、読み物としては面白かった。2023/03/21
Satoshi
12
ゴールデンウィークに宇佐八幡に参拝した際に応神天皇と宇佐八幡の縁が神社のパンフレットに掲載されていた。神話と歴史が入り交じる応神天皇から継体天皇の時代に興味を持ち本書を購入。日本書紀も古事記も勝者の歴史であり、客観的資料との矛盾がある。断片的な文献と史跡から仮説を立てるのは小説を書くことと同じく刺激的だ。妻の実家近辺が継体天皇のゆかりの地であることを知れて良かった。2025/06/17
わたお
10
古代ヤマトは吉備(瀬戸内)、出雲(日本海)、東海の勢力から構成されており、その背後には朝鮮半島、中国の情勢もからんでなかなかダイナミックに動いていたようだ。継体天皇をキーマンに3つの勢力の趨勢、その後の日本書紀による歴史の改ざんなどが書かれている。 当時の資料が少ないだけに、まさにミステリーです。2023/02/27
イシカミハサミ
10
題は継体天皇だけれど、 内容的に濃かったのは 中学の日本史でも登場しておきながら 歴史の中での意味合いのはっきりしない 「磐井の乱」を矛盾なく組み込んだところだった。 日本書紀のなかでも存在感のない継体天皇。 日本書紀の著された目的が歴史の抹殺だったなら、 これだけの変革の中心にいたとしても不自然ではない。2023/02/20
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