内容説明
全世界で200万部超『優雅なハリネズミ』のフランス人著者が贈る、京都を舞台にした長篇小説 フランス人のローズは、一度も会ったことのない日本人の父が他界したという報せを受け、京都にやって来た。美術商だった父のアシスタント、ポールと出会い、恋に落ちるが――。ひとりぼっちだった女性が、古都に癒され自分を見つめ直し、人生の意味を見出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
288
ミュリエル・バルベリは2作目。前作の『優雅なハリネズミ』を読んで、帯にも平野啓一郎推薦とあったので、もう1作と思って購入した。端的に結論を言えば、期待は残念ながらはずれたのである。本書は気に入らないことばかり。一番は翻訳の訳文。訳者の永田千奈氏はフランス文学の翻訳が多数あるのだが、少なくても本書に限って言えば、ここには文学の持つ香りがしないし、詩精神が全く感じられないのである。構成もまた不満だ。各章の最初にある、ことさらに古典伝承めいた前置きも本文と呼応しあって小説世界を広げるか、といえば⇒2024/02/27
ケロリーヌ@ベルばら同盟
58
『優雅なハリネズミ』のミュリエル・バルベリの新作。期待に胸踊らせて読み始めるも、漫画チックな表紙画と昭和歌謡曲的なタイトルに感じた違和感は本文にも。主人公は40代のフランス人女性。父の顔を知らずに育ち、若くして母と死別したローズは、狷介で常に怒りの火種を燻らせているような「他人をうんざりさせる名人」。そんな彼女が、遺産相続の為に来日し、京都にある亡父の邸宅に滞在し、家政婦や運転手、父の仕事のパートナーであったベルギー人男性に傅かれ、名園、寺社仏閣を巡るうちに心癒されてゆく…。殺伐と生きる読者は汗顔の至り。2023/05/05
かもめ通信
16
天涯孤独のヒロインの愛と再生の物語”古都に癒され、自分を見つめ直し、愛に目覚めて、人生の意味を見出す。そうあらすじだけを紹介してしまうと珍しさも奇抜さもないように思えるが、物語と共にフランス人の目に映る京都が堪能できるという点がとても興味深い。銀閣寺、詩仙堂、南禅寺……。この本をガイドブック代わりに携えて、久々に京都に行ってみたくなった。2022/12/12
フランソワーズ
13
ローズには父の記憶がない。あるのは怒りと、虚無。しかし一度も会ったことのないその父の遺産を受け取るために、京都を訪れることに。父の友人であったポールの案内で寺や墓地を訪れ、日本料理・日本の喫茶を味わう彼女。「木と紙の国」日本という不思議な土地での体験、生前の父を知る人たちとの触れ合いのうちに、とかく棘だった心が洗われ、生まれ変わる。→2023/02/22
きゅー
12
東洋趣味が強すぎるうえに感傷的な作品。本作を読んだ外国人は、京都がいかに静穏で秘密に満ちていて、高雅なところだと勘違いしそうだ。もちろん京都にはそういう場所が多くあるが、その恩恵に浴せるのは登場人物たちのように時間と金銭に恵まれた人たちだけ。ヒロインはフランス人で、彼女が惹かれるのはベルギー人。日本人も登場するが、彼らの影は薄い。結局、ヨーロッパ人が日本という異国にやってきて、そこで同じルーツを持つ人と出逢うというストーリー。ヨーロッパ人の考える日本的スパイスが強すぎて大味になってしまっている。2022/12/21
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