内容説明
『言葉と物』、『差異と反復』、『グラマトロジーについて』。いまや古典となったフランス現代思想の名著をめぐって展開するこの「三つの物語」は、日本でニュー・アカデミズムが台頭する直前、1978年に衝撃とともに刊行された。フーコー、ドゥルーズ、デリダという哲学者が登場するものの、本書は哲学の概説書でも研究書でもない。それは思考の物語であり、「批評の実践」であり、「作品」を読むことの物語である。瑞々しく、極限までそぎ落とされた文体で、いまだ「読むことのレッスン」を体現し続ける批評家の、比類なき名著。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
シッダ@涅槃
14
読メ登録だけでたぶん3回目の読了。医者の待合室での暇つぶしにKindle版書き出し無料で読み、「こんなに「とりあえずの序章」良かったか?」となって文庫版購入。◆ドゥルーズ→デリダ→フーコーの順で読む。フーコーは内容が具体的過ぎて(あと個人的に『言葉と物』に馴染みがなさすぎて)とっつきづらかった。デリダの論の後半から、蓮實氏のイメージを裏切るかのように、熱っぽい語り口で驚かされた。また、「修養」「レクチュールのレッスン」「教育」といったワードが強調され、その場は「作品」であるいう主張(?)は重要だろう。2025/07/04
Yohei Kobashi
2
著者がフーコー・ドゥルーズ・デリダの著作を一作ずつ取り上げて語る本。とてつもない名著であり、短く要約できる内容ではないのでコメント欄も使い長々書く。ポストモダンを代表する3名の哲学者を取り上げている千葉雅也の現代思想入門と重なり、千葉雅也を介して本著を解釈することは不可能ではない。しかし、その読書体験は全く異なる。一番の違いは切実さの有無である。著者はポストモダンの姿勢が抗い難く知の否定に繋がることを切実に受け止め、それと向き合うための何かを三作から読み解こうとする。本著を読むことはその追体験である。2024/02/23
鏡裕之
1
いかにも80年代的な、ニューアカデミズム・ファッション。 浅田彰の『構造と力』を読んだ時にSFみたいだなあと思ったけど、本書も物語的衣装・意匠をまとってるね。2022/11/23
happacutter
0
一見レトリックまみれで難しいように思えるが、とても分かりやすく書かれていると思う。何回も同じことを繰り返してくれて優しい。時代ごとに知のエピステーメーがあったとする「言葉と物」は普通に考えて構造主義っぽいが蓮實重彦が読むとこうなるんか。デリダ論は終盤、「グラマトロジーについて」は現前の形而上学批判では無いと言い出してずっこけた。急に自信無くすなよとは思いつつも、実際そうなってしまったよなと思う。そして蓮實重彦自身に対する注意であるようにも思える。今じゃあなたが「制度」じゃないですかって言われてるよな多分。2026/07/12
bookcustomer
0
90年代に米国でソーカル事件というのがあり、そのアランソーカルという教授が、自身が教鞭をとる分野とは別の哲学の学術誌に自身の論文を送ったらその学術誌に通り、掲載されて発表されたそうで、そのカーソル教授がその後に哲学の単語を並べただけと会見で公表したそうで、外来語やその外来語の翻訳されたその難解な単語の意味が分からないとその文の内容が分かりませんが、またタイトルにあるフーコーというフランスの哲学者ですが、読者に情けを寄せさせるような文を書くことを嫌ったそうで、当本は読了はしました。
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