経済学の壁:教科書の「前提」を問う

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経済学の壁:教科書の「前提」を問う

  • 著者名:前田裕之【著】
  • 価格 ¥2,178(本体¥1,980)
  • 白水社(2022/10発売)
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  • ポイント 570pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784560094471

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内容説明

学派の「壁」を越える、初めての知的冒険

現代経済学への批判が絶えない。日本の大学では、標準的な履修コース(ミクロ経済学、マクロ経済学、計量経済学)が普及しているが、学生の間からは数式やグラフばかりで学習する意味を見出せないとの声をよく聞く。「経済学は役に立たない」と切り捨てるビジネスパーソンも少なくない。
経済学とはどんな学問で、根底にはどんな考え方があるのか? 経済学の「前提」をよく理解せずに教科書や入門書を手に取り、経済学を学ぶ意義が分からないまま、消化不良を起こしてしまう人が多いようだ。
そこで、本書では主流派と異端派の諸学説の原典や基本的な考え方を網羅し、経済学という学問の本質を掘り下げたうえで、経済学との付き合い方を提言する。
著者は日本経済新聞で、日本銀行や大蔵省をはじめとした経済官庁や銀行などさまざまな業界を取材する一方、岩井克人『経済学の宇宙』を手掛けるなど、ジャーナリズムとアカデミズムを自由に行き来してきた、経済論壇では稀有の存在だ。正統派と異端派の学派の壁を軽やかに飛び越え、一冊で経済学のすべてを描き切った渾身の経済学案内。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

85
著者は日経新聞の記者をやめて独立されていたのですね。岩井克人先生の談話集をまとめたりされていたのですが、経済学をもう少し一般の人向けに説明しようとされています。エコノミストと経済学者の切り分けも行っていて非常に斬新的な内容だと思うのですが、若干空回り気味のところがあるように感じられました。さまざまな理論やその現状を説明されているのですが話をもう少し絞った方がいいのではないかとも感じました。わたしにはいい本だと思えます。2022/10/14

Sam

50
異端の経済学、最新の経済学までも視野に入れた経済学史の本であるが、元新聞記者だけあって「経済学者の類型」(経済学者とエコノミストの違い等)といった切り口は斬新だし、筆者なりの思いも込められているのもよく伝わってくるし、でも一般の人たちにもその本質を理解してもらおうという意欲も伺われる、非常に欲張った内容の一冊。結果として筆者ならではの経済学史として存在感や面白さは感じたが、一方で必ずしも理解しやすい内容にはなっていないところに一種の限界があると思う。2022/08/31

koji

15
私は結構多ジャンルを読みますが、それぞれに「水先案内人」を置いています。元日経編集委員の前田さんもその一人。前田さんは金融に好著が多いですが、「経済学の宇宙」で岩井克人先生の聞き手になり経済学にも精通されています。そこで本書。Aスミスから始まる「経済学」の系譜を歴史に沿って綿密に記述していきます。正統、異端、新潮流入り乱れての論争の綿密な記述は、私の頭に混乱をきたしましたが、そのダイナミックさは十分味わいました。ただ科学を取り込み益々微細化する経済学はどこに向かうのか。マル経の復権の可能性も感じますね2023/11/07

shin_ash

7
経済学がよく分からない。どこから手をつけていいかも分からない。直感だが論理なり主張なりの背景を無視して説明している印象があるので、手当たり次第だと混乱し徒労に終わりそうな気がするからだ。なので、全体感の掴める本を探していたところ本書に出会った。本書は経済学の各論の詳細には立ち入らないが、多様な学説の歴史と発展を現在までの流れて整理しますてくれるありがたい書だ。経済史の良書はあれどここ20〜50年は抜けているが本書はカバーしている。現在の主流派は何か?が疑問だったが、結局は新古典派経済学の様だ。この認識があ2023/07/29

しゅー

5
★★数式・図表を使わずに経済学史の観点からアプローチした経済学の入門書というのは類書も多そうだが、本書の一番の特徴は徹底的にメタな視点だ。「業界」で生きる経済学者や(日本的な意味での)エコノミストの皆さんが、どういう動機で動いているか(もしくは動かざるを得ないか)を考察する。また、通常は(学史以外の)教科書で取り上げられない「異端派」にも目配りすることで、現代の「主流派」が何を切り捨てているかを明らかにする。学問はその研究対象で定義されるべきなのに、経済学はともすると「手法」で定義されるという指摘が鋭い。2022/11/06

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