内容説明
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カイ・ニールセンやエドマンド・デュラックの影響を受けつつも、「ロマンティック+ゴシック+ギリシア+オリエンタル」という独自の画風で挿絵黄金時代の最後を駆け抜けたヴァージニア・フランシス・ステレット(1900-1931)。本書は『フランスの古いおとぎ話』(セギュール夫人作)、『タングルウッド物語』(ナサニエル・ホーソン作)、そして『アラビアン・ナイト』のためにステレットが描いた挿絵を集めた、世界初の全作品集です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
18
21世紀の初め、31歳でこの世を去った女性画家。彼女は三冊の素晴らしい絵本を残していた。その業績を紹介する一冊。童話に添えられた絵は、貧しい家庭に生まれ、美術学校で14か月しか学べなかった経歴にもかかわらず、どれもが当時のモダンさとロマンティックさが満載で、可憐でたまらなく美しい。アメリカのイラストレーションの歴史の解説もあり、読み応えと見ごたえのある一冊でした。2022/02/05
大粒まろん
11
アメリカシカゴ生まれ不遇の女性挿絵画家。3冊の素晴らしい挿絵絵本を残している。「フランスの古いおとぎ話」「ダングルウッド物語」「アラビアン・ナイト」。画風はカイ・ニールセンの影響を受けつつアール・ヌーヴォーとアール・デコをミックスし。独自の幻想的な挿絵はとても魅力的だ。「ウルソン」のお話は美女と野獣の様。植物の描き方がとても美しい。どのお話もとても素敵で挿絵が効果的により美しく立たせている。本編後半にはアメリカの児童文学と女性挿絵画家のことが紹介されていて堪能できました。2023/05/09
菊川ねこじ
0
1900年頃だと結核で亡くなってるひと多い。現代の目でそこそこ普通の年齢で亡くなってるひとは結核にかからなかった、と言えるのかもしれない。長生きすればいいってもんじゃないけど夭折もはかない。もっともっと描きたかったはず。生きてるっていいことだ2022/06/12