内容説明
「鳥頭」と侮ることなかれ
鳥脳は小さいから低機能、なんて大きな誤解!
道具をつくり、ピカソとモネの絵を見分け、
バッハとシェーンベルクを聴き分ける。
それだけではない。自己像を認知でき、
論理的な思考をし、言語だって理解できる。
そんな鳥脳に標準装備の能力と、
訓練によって獲得できる能力とは何か。
かれらの「心」に迫ることはできるのか。
2010年刊行の単行本を大改訂。
さまざまなオモシロ実験から明らかとなる、
小さくても高機能な鳥脳の魅力をとくとご堪能あれ。
●目次
第1章 鳥という名の恐竜
第2章 鳥脳とはなにか
第3章 鳥脳はものを憶えられないか
第4章 道具をつくる鳥脳
第5章 鳥脳のナヴィゲーション・システム
第6章 鳥脳に「美」を教える
第7章 鳥脳に「音楽」を教える
第8章 鳥脳に「論理」を教える
第9章 鳥脳に「言語」を教える
第10章 鳥脳に「自己」を教える
エピローグ 鳥脳への挑戦はつづく
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
52
あっ、ハトの研究でイグ・ノーベル賞受賞された先生だ!と手に取りました。鳥の脳とはどういうものなのかが古生物学、解剖学的な情報から丁寧に説明されていきます。でもやっぱり面白いのは実験の数々。有名なものから知らなかったものまでいろいろな実験があってワクワクしました。もちろんヨウムのアレックスも紹介されていて、まさに入門書といった感じ。また、こういう研究がどんどんできなくなっているのが現状と知り、がっかりしましたが、ある意味科学が一般人の手に届くものになるのかもしれません。新刊コーナーから。2023/02/20
nagoyan
15
優。鳥の脳の機構的・神経生理学的説明から入る。おや、間違ったかな、と思いつつ、辛抱して読み進める内に、次第に認知心理学的な実験の話題が増えてきて、興味を盛り返す。一冊読み終える頃には、もう一度、鳥の脳の機構的な説明を読みなおそうかと思い始める。最後には「心」とは何か、「心」の存在のありようの多様性に思いをはせるようになる。人間が進化の過程で勝ち取ってきた「心」とは、別の在り方の「心」の存在の可能性を、著者は鳥に観る。僕は、その姿に人間の可能性を観たい。2023/02/17
k.inoue
0
渡辺茂2022作、鳥辞典と言っていい、鳥は恐竜から進化した動物ではなく生き残った恐竜だそうだ。鳩の帰巣メカニズムは、太陽コンパスによるナビゲーション,磁気によるナビゲーション、視覚によるナビゲーションシステムによる。そのほか、美、音楽、言葉、論理、言語についての研究を分かりやすく解説2022/12/26