内容説明
進化し続ける情報生態系
求められるメディアリテラシー
2016年、フェイクニュース元年から、
2020年、インフォデミックの時代へ――。
フェイクニュース現象の全体像を「計算社会科学」を武器に描き出す。
新型コロナ・パンデミックに端を発したインフォデミック、
米大統領選挙をめぐる陰謀論など、フェイクニュースの猛威が止まらない。
本書では、偽情報を信じる認知特性、その情報を拡散させる情報環境、
情報過多と注意力の限界などを解説し、
ファクトチェックをはじめとする対抗手段の有効性を検討する。
文庫版では、2018年以降のフェイクニュースをめぐる重要な動向をまとめた
「追補 インフォデミックの時代へ」を追加収録。
※本書は、2018年12月に刊行された『フェイクニュースを科学する』(DOJIN選書)を加筆・修正し文庫化したものです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
inami
30
フェイクニュースといえば=トランプ前大統領ということになるだろうか(w)、最近では福島の原発処理水放出に関する中国におけるSNS等での反応が目に余る。フェイクニュースはなぜ生まれ、どのようにして拡散し、脅威となるのか。その情報生態系の理解のためには、虚偽情報の種類、動機、拡散様式の三つを理解する必要があるという。誤情報は事実より遠く、深く、早く、幅広く拡散する。で〜、偽ニュースを見抜くためには、*メディアリテラシー(新聞、TV、インターネットなどのメディアから得られる情報の読解力)が重要だと・・2023/09/09
羊山羊
17
「正しさの商人」に重要な形での引用があったので読んでみた。フェイクニュースを、新たに打ち出された計算社会科学と情報生態系という新しい学際分野から分析する1冊。短いながら超重要だ。第1章から「誤情報は事実よりも遠く、深く、速く、幅広く拡散するp47」という衝撃的な結論に達している。発信者が意図してデマを伝達し、それを読者が様々なバイアスとクラスターの形成により下支えして誤情報を強化してしまう。その結果、真実よりもフェイクニュースのほうが強くなってしまうのだ。→2024/02/15
Don2
13
フェイクニュース=虚偽情報の拡散メカニズムの研究を概説する本。研究をもとに、人間の陥るバイアスだったりコミュニケーションの性向がインパクトの大きい情報(怒り等のネガティブ感情の乗ったもの・多くはネガキャン・意図をもって作られたものを含む)を拡散させていくという構造や、その頑健性を紹介するくだり等を読むに、結局情報を拡散する人たちによる自浄作用は期待できないので、法的に縛るとか、子供のころの教育に力入れるとか、そういう強制力の伴う方法でしか管理は厳しいんだろうなあという印象をもった。2023/12/28
spatz
12
「みたいものだけみる」 「似た人とつながり影響しあう」 日頃気になってたことを研究してる人がいた、て面白さ。#計算社会科学 てこれからの分野かな。研究の成果を一般人にも読めるように書いたもの、だと思うので、これ以上簡単に書けというのは無茶というものでは、と感じます😎おすすめです。このテーマは炎上しがちなものなのですが、まさに、科学、してるので。冷静に淡々と、人間でこんな生き物なのね、行動分析の最先端。2021/12/03
たく
11
計算社会学の題材としてフェイクニュースを扱った本。 フェイクニュースの広がりかたを可視化した図が印象的だった。2022/05/22
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