内容説明
「ニャタレー夫人の恋人」「華麗なるニャツビー」「にゃあ無情」「千夜一夜(せんにゃいちにゃ)物語」「ニャン月記」……
どんな運命も、猫におまかせ。
ニャタレー夫人が案内する“猫文学”全12篇。
新進気鋭の小説家、クリフォード・ニャタレーと結婚した、ニャタレー夫人ことコニー・リード。幸福な結婚をしてめでたしめでたし……と思いきや、彼女は退屈な日々に飽き飽きしていた。コニーとは毛づくろいしてくれないのに、友人とマタタビばかりかいでいるクリフォードに嫌気がさしていたある日、森番のオリバーと出会い、一緒に日向ぼっこをする間柄になってゆく……。(ニャタレー夫人の恋人)
大ヒットシリーズ「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」の菊池良、海外文学を猫で解く!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ままこ
53
登場人物が全て猫に置き換わっている。『チャタレイ夫人の恋人』を題材に他の名作もいくつか織り交ぜ、独自の着想を加えてある物語。ここに登場する名作はほとんど読んだことないが、なんだか読破した気分になる。古典が多いけど今のご時世に通じるものがある。ちょっと無理矢理感がある部分もあるけど、コラムも含め楽しめた。読んでると自然と猫の姿に変換してしまい、ラストは映画を観ているようで情景が浮かび上がる。リンクする世界文学ネコ翻案全集。風刺が効いた文学を愛するオマージュ作品。【プチ猫の日】2023/02/02
宇宙猫
20
★★★ 「ニャタレー夫人の恋人」「華麗なるニャツビー」「にゃあ無情」「千夜一夜(せんにゃいちにゃ)物語」「ニャン月記」などを 猫の街で起こった物語にして描く。タイトルだけ知っている作品も、何となく内容が分かって楽しかった。2023/02/02
えりまき
20
2023(2)面白い!ニャタレ―夫人の恋人(ロレンス)、ニャタレ―夫人とペスト(カミュ)、ニャタレ―夫人と動物農場(オーウェル)、千ニャ一ニャ物語(アラビアン・ナイト)、華麗なるニャツビー(フィッツジェラルド)、ニャン月記(中島敦)、にゃあ無情(ユゴー)、トミー・ソーヤーとチャールズ・フィンの物語(トウェイン)、アイヴィの片恋(ツルゲーネフ)、ニャルダンの月世界旅行(ヴェルヌ)、オリバーの変身(カフカ)、表現の自由に関する裁判。翻訳・感染症・小説・戦争・日本文学についてのコラムも勉強になりました。 2023/01/03
assam2005
18
世界文学の登場人物が猫だったら…?どこかで聞いたことのあるタイトル、「ニャタレー夫人の恋人」、「ニャタレー夫人とペスト」、「華麗なるニャツビー」、「にゃあ無情」…。元の小説をそのまま猫に置き換えるというわけではないのだけど、元の小説のテーマを分かりやすく紹介してくれる。え、そんな話だったの?ちょっと気になる…と思いながら読ませてくれました。この作者の菊池良さん、「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」シリーズの方。ああ、なるほど。興味をそそられたのは「ペスト」、「ニャツビー」。2023/01/05
loanmeadime
17
雑誌に連載されたものをまとめた本で、11の古典を猫版に翻案したものに、コラムが挟まり、最後は裁判記録になります。タイトルからしてパロディーの集まりかと思ってしまいますが、裁判におけるニャツ目漱石証人の重厚な証言や蘊蓄溢れる各コラムもあって全体に楽しい読み物でした。チャタレイ夫人の恋人、一度、読んでみようかな。2023/08/28