内容説明
能力主義と自己責任、家族の多様化、ジェンダー不平等、承認欲求とアイデンティティ……。
現代の閉塞感に風穴をあけ「誰もが息のしやすい社会」を構想する希望の論考。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
64
【自由に生きていい。生き方は多様であっていい。そんな言葉はよく耳にするけれど、わたしたちはこんなにも、不安定で、生きづらい】教育学者が、人々が居場所のなさを感じ、新たな居場所を必要とするメカニズムや社会に風穴を開けていくような社会現象を分析した書。巻末に参考文献。2022年刊。<「ふつう」に行きたいだけなのに、そんなことすらおぼつかない。どれくらい頑張ったら、何を持っていたら、不安や孤独はなくなるだろう。もっと息がしやすくて「何でもない自分」のままでいられるような、そんな「居場所」を手にしにいこう>と。⇒2026/09/12
katoyann
25
教育学者による居場所論である。学校価値が家族をも取り込み、社会全体が競争主義的傾向を強める中で、自己の承認がより根源的なレベルで求められるようになる。その問題を教育学やジェンダー論の先行研究から分析している。子どもはもちろんのこと、若者や大人も含めて全ての人が一生の中で評価的な視線に晒されるため、承認は日本社会の課題である。著者は、サードプレイスの重要性を解きつつ、市場価値に還元されることのないような関係ベースのオルタナティブな居場所を構想している。現代的な居場所論としてオススメしたい。2023/03/27
akihiko810/アカウント移行中
23
「居場所なき時代」に、どのようにすれば居場所ある生を生きられるか、という考察。印象度B- うーん、読みたかった内容とは絶妙に違ったかも。「具体的な居場所の提言」がもっとほしかったのだが…。あと、自分はありがたいことに「居場所のある人間」なので、特にこの本の「孤独」とかには共感しなかった。 自分の居場所としては、NPOのたまり場(さいたま)と、将棋道場。前者は適当に何をやって過ごしてもいいし、後者は幅広い年齢層の人と趣味の将棋で繋がれる。かけがえのない場所だ。あと、家族とも関係良好だし。2024/02/07
いとう
9
巻末『おわりに』に「研究書ではないから、そこまでしっかり検証できていないことでも、自由に書いていきましょう!」の出版社の声があり、著者も社会構想のための議論をはやめるためのも「論理性や実証性の穴が無くなるのを待っていては」ダメとの思いがあったようだ。これにより内容には著者の推測が前面に出ている箇所が少ないくないが、それでも、著者の鋭い分析とデータ収集力が光る。特に、p25『学校の過剰居場所化』p74『学校から外れたときのリスク増大』の項目では、現代の居場所の問題が丁寧に説明されている。→2023/11/06
てくてく
8
不登校になった子の「居場所」作りといったように、家と学校や会社以外のサードプレイスとしての「居場所」の重要性を指摘されることが増えてきたが、その「居場所」とは何なのかをはじめとする考察集。研究などの出発点だった自分が「ないもの」になっていた経験、不安が他者や世界への関心を奪ってしまうこと、マイノリティ性を持つ人ができるアクションとしてノイズを立てることの指摘など、なるほどと思う点が多々あった。2025/07/03
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