内容説明
お母さんとの衝突をきっかけに、なりゆきで“プチ家出もどき”を決行したAちゃん。家出っぽい行動は全然しないけど、ひとりで生活できる準備を着々進めているBちゃん。さて、本物の家出に近いのはどっち?――こんな内容の本を読んで、感想文を書きながら考えこんでしまった小四のフミは、思い立って作者に手紙を書きます。作者からの返事は……。「家出」というテーマを通して、自分らしい生き方や居場所さがしを考える物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スイ
16
ページをめくって、扉の辺りに載っていた英語題がかなりの意訳だったので、あれ?と思っていた。 読み進め、後半でその英題に繋がった時には声が出そうに。 読み終えて本を閉じ、今度は日本語題を改めて見ると胸がいっぱいになった。 ああ、なるほど…! 大人のやり取りもきっちり書かれていて、子どもだけでなく大人も感じるところが多い作品だった。 手紙の使い方、章のタイトルも上手い。 娘がもう少し大きくなったら手渡したいな。2020/11/14
ぱせり
7
過激なタイトル、挿絵も不思議。家出の夢か。わたしたちのこの体が家なのかもしれない。古い家を脱ぎ棄てて新しい家を探すもよし、戻るもよし。子どもが小さかったころ、熱中してしきりに作っていたヒミツキチ。あれも一種の家出だったかな。どこか遠いところに飛びたっていくための無意識の練習だったのかな。2013/06/22
ヒラP@ehon.gohon
5
タイトルからは想像できない、清々しいお話でした。 「家出」は、子どもの自立という観点で描かれていました。 故意であれ偶然であれ、家から離れてしまうことで、子どもが成長するのであれば「家出」はいいものかもしれません。 直接面識のない、世代を越えたやり取りがさわやかでした。 登場人物を鶴(?)と亀になぞらえた不思議な挿絵が印象的でした。2015/05/16
ゆか
4
面白かった。一冊の本の二人の家出にどっちが本当の家出なのか疑問に思ったフミが作者に手紙を出すことから物語が始まる。この導入部、好き。返事を書いた作者の日常や、フミの友達の家出などの別の要素も面白い。作者文子が、フミに出さなかった手紙の中に、大人にも家出をする権利があり、だれでも心のどこかでは家出を夢見ていて、(たぶん)誰でも家出を実行する力があるのだと思うようになりました。たとえ、おじいさんやおばあさんになっても・・・。というところが良かったです。2013/10/24
る*る*る
4
読後の感想、質問を作家に手紙で出す。ーいいですね〜☆図書室で、「作家に手紙を書こう!」企画をやりたいと思っていたので、楽しく読めた。秋の読書月間に♪2013/06/15