石の神

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石の神

  • 著者名:田中彩子/一色
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 福音館書店(2022/10発売)
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  • ISBN:9784834080919

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内容説明

江戸時代、上州の石屋「大江屋」に、石工見習いのふたりの少年がいた。ひとりは、一流の石工をめざし一心に修行に励む寛次郎。もうひとりは、天才肌で素性の謎めいた申吉。申吉は実の名を捨吉といい、「石神」を祀る「荒れ地」からやってきたのだった……。宿神思想に想を得て、ふたりの少年の成長を描いた意欲作。第12回児童文学ファンタジー大賞佳作受賞作、待望の刊行。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆみねこ

58
門付けの子として生まれた捨吉は、神も仏も信じられず放浪の果てに拾われ、申吉と名付けられて石工の弟子となる。兄弟子寛次郎は申吉の腕を怖れ、才をうらやむ。田中さん2作目ですが、やはり児童書と呼ぶにはレベルが違い過ぎという感あり。でも、中学生くらいなら充分に理解して楽しめるのでは?もちろん大人の読書家さんにもお勧めです。2014/09/09

とよぽん

42
「天狗ノオト」に続いて、田中彩子さん2作目。主人公の二少年に引き込まれ、一気に読んだ。寛次郎と捨吉の心情描写を軸に、石工の徒弟社会の群像劇が見事に描かれていた。ライバルの存在は、いつの世でも貴重だ。主人公の視点が変わると書体も変わるのが、面白い。一色さんの装画も味があってよかった。表紙には少し驚いたが・・・。それにしても、これを児童書(小学校高学年の書架)とすることに、多少の異議を感じる。差別や生き方、芸術、信仰など、深いテーマを扱う稀有の物語ではないか。2019/04/22

さつき

41
江戸時代、石屋に弟子入りした寛次郎と捨吉の物語。悲惨な生い立ちのため人に馴染まないが、石工として天賦の才を持つ捨吉。その才能を強く意識する兄弟子の寛次郎。捨吉に対する寛次郎の感情が決して妬みに流れないところがすごいです。また、若い時に一生の仕事をみつけ、打ち込めるなんて素晴らしいと思います。石を彫ることが好きで、ひたすら上手くなりたい寛次郎の気持ちがいつか報われ、捨吉に並び立つ名人になる日がきっと来る…未来に希望の持てる良い幕切れでした。2016/10/28

そら

37
図書館の児童書コーナーで見つけました。「天狗ノオト」の人だ〜!と、ワクワクしました。引き込まれて一気に読めました。適度に重厚、骨太な小説。大人にオススメします😊。江戸時代?明治時代?。部落や被差別というワードは出てこないけど、大人が読むと「ああ、そっか」と気づきます。石神の存在、感じます!めっちゃ良かったです!2022/06/14

b☆h

37
石工に憧れて弟子入れした寛次郎と、たまたま拾われた申吉。恐らくまだ13,14歳の二人が、自分と向き合う物語。神がいるかは分からないけれど、信じる対象がある人は強いと思っている。境遇を恨んでいじけるのは簡単だけど、何も生まないし、そんな時は物事を歪んで捉えてしまう。だからといって常に前向きでいることは難しいけれど、それでも妬んだり恨んだりすることは出来るだけせずに済むようにしたい。明るい兆しの見えるラストが良かった。2022/06/13

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