内容説明
ケイとメイおばさんは、普通の人には見えない不思議な存在=「アヤカシ」が見えてしまうという秘密を共有しています。象牙の鍵盤を持つピアノを弾くよう促す、牙のない象…女主人の窮地を救うため生きた鳥となって姿を現す鳩時計の鳩…どれもが、読んだあとだれかに語って聞かせたくなるような魅力的なお話です。メイおばさんの小学生時代の秘密に分け入っていく息づまる後半、じんわり胸に落ちるラスト。物語の醍醐味をどうぞ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
83
アヤカシさん(付喪神)が見えてしまう小学四年生ケイ君の体験を通して自分にもあるその能力を疎ましく感じていた叔母メイおばさんのアヤカシさんとの邂逅。なかなか良い児童書。2018/05/26
ぶんこ
70
畠中恵さんの付喪神やアヤカシとは少し違いましたが、どのアヤカシも優しくてホッとしました。 「嘘つき」と親や先生、友達からも言われて心を閉ざしてしまったメイ叔母さん。 10歳しか違わない甥っ子ケイまでもがアヤカシを見る事ができると知って、ケイには同じ哀しみを味わわせまいと必死すぎて切ない。そんな叔母心を知る由もない好奇心旺盛で優しいケイ君。アヤカシに付き合って、願いを聞いてあげます。ホラーは嫌いですが、こんな不思議世界は大好き。2016/04/14
はる
54
読後感が爽やかな、素敵な物語でした。不思議なアヤカシさんが視えるようになった小学生のケイ。どうやら叔母のメイおばさんも視ることが出来るらしい。アヤカシさん達は何かを訴えているのですが…。富安さんの魅力満載。そうだ、みんな、みんな繋がっているんだ♪ 全然怖くないのでご安心を。2016/04/07
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
51
アヤカシが見えるようになっていまったケイと、見えて大変な思いをしてきたメイおばさんのお話。面白かったです。物には魂が宿っている。物は使われて価値を得るものと思っているので、使うように心がけているけれど、もしかしたら家の片隅に忘れているものがありそう。絵がお話とピッタリでした。2020/12/08
杏子
35
物にやどる精霊を見る力をもったメイおばさんと甥っ子のケイ。とても歳の近いメイおばさんとケイの前に、次々に起こるふしぎな出来事。話と話はつながっていき、最後に大きな流れになって結ばれていく。古いものには心がやどると昔から言う。この物語は、本を読んだ人と人とをつなげてくれるのかも。2015/02/28