内容説明
ニューギニアの奥地で、今なお石器時代に生きる人々と接触することに成功、石斧製作の秘密をつぶさに観察して人類学上に貴重な貢献をした探検の記録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
35
筆者がタイムスリップしてきたわけではない。本書はSF小説ではなく、タイトルに銘打っているように“探検”の物語なのだ。書き手はハインリッヒ・ハラ―。登山に興味がない人でも、アイガー北壁初登攀を成し遂げた人物として知られている。ブラッド・ピット主演の『セブン・イヤーズ・イン・チベット』の著者にして主人公でもある。冒険家は、いわゆる記録を取るだけで文章はあまりうまくないのかと思っていたら、刻々と変わる気象や出来事について克明に描かれていた。やはり記録屋である。2022/12/26
Book shelf
1
著者はブラッドピット 主演「セブンイヤーズ・ イン・チベット」のモデルになっている探検家。本書は彼の数ある探検のうちパプアニューギニアの、石器時代から変わっていないような生活を営む原住民が住むジャングルや渓谷を冒険する内容。原住民が荷物運びした対価として鉄斧を渡す件がある。学問的にはここから石器時代から鉄器時代になるターニングポイントになったと思いたいところだが、事実はそうならなかった。彼らは相変わらず石斧を使い続けたのである。理由は様々あるだろう。歴史研究においても都合良くいかないことを考えさせられる。2025/08/14
