内容説明
社会人二年目、丸印出版の企画営業部(雑誌広告担当)に勤める西富(ルビ:にしとみ)みのりは、
ノルマに追われる日々を送っていた。
休日の外回り中、雨宿りのために偶然立ち寄った湘南の青果店『フジミ青果』で、
みのりは〈野菜嫌い〉の店主・亮二(ルビ:りょうじ)と出会う。
その店は、一見ごく普通の青果店だが、
実は野菜も果物も売っていない「青果のコンフィチュール」専門店だった。
試食をさせてもらったみのりは、そのおいしさに感動すると同時に、
このお店をぜひ、自分の担当するグルメ雑誌で紹介したいと強く思う。
そんな話を切り出したみのりに、それまでの優しそうな表情を一変させた亮二は「帰れ!」と一喝するのだが――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
55
出版社の企画営業部でノルマに追われる日々を送る主人公。雨宿りが縁で知り合ったのは青果店で手作りコンフィチュールを扱うイケメン。野菜嫌いな店主の作るコンフィチュールがとっても美味しそう。読む前にはコンフィチュールって何?と思っていたが、なんと私が『ジャム』として作っていたものが実はコンフィチュールだったとはビックリ!私が作るのは苺、キウイ、ブルーベリーだけ。作品に登場したトマトやバナナは作ってみたい。ちょっと怖そうで実は優しい店主と鈍感ぎみな主人公の関係の変化も面白い。ただ私にはちょっとキラキラ過ぎたかも。2022/10/04
まる子
20
#NetGalley 雨が降って来なければ出会う事もなかった初めで食べたコンフィチュール。自分なりにやっているはずだった仕事が思うようにならないもどかしさ。根性と諦めの悪さを持つ西富みのりは、そんな中に様々な人を通して気づかされる。「自分は人に寄り添えているか?」「自分が作りたいものは何か?」と。異性にちょっぴり鈍いみのりと、あの人が重なる時、ちょっぴりしあわせが見えて来る。彼は今日も懐かしさを思い出しながら瓶の中に色とりどりの"しあわせ"の魔法を。人との繋がりや優しさは、美味しい食べ物が運んでくる!2022/08/21
よっしー
18
タイトルが気になって手に取りました。登場するコンフィチュールがどれもおいしそうで、食べたくなります!! 個人的には期間限定の完熟梅が気になるところ…。営業さんってノルマもあって大変でしょうが、みのりの変化を見ていると、向いてる人にとっては多くの人との出会いがあり、楽しい仕事なのかなとも思いました。私には向かないですが(笑 ただ、お仕事小説としては良いけど、そこに恋愛は要らなかったかな。中途半端感が残ってしまいました。2024/07/31
みっくん
13
初めて読む作家さんで営業職でのるまに苦戦しながら奔走する主人公の西富みのりが急な雨にあって雨宿りした時にたまたま出逢った青果店に足を運んだことから話は始まる。タイトルにあるコンフィチュール、今まで知らなかったジャムとの微妙な違いをはじめ、一風変わった店主との関わりが話のメインになっていて、食べ物が題材になっているのもあるかもしれないですが、ここ最近でサクッと読めて楽しめる作品でした。他の作品にも手を伸ばしてみようかなぁ。(^_^)2022/11/12
kimuchi
5
失敗続きの出版社女子と、野菜嫌いの青果店男子。湘南で彼らが手にしたのは、人生のしあわせな味(帯より)。ただただ登場するコンフィチュールが美味しそうだった。お仕事小説になるのかな。切り口を変えてお客さんに提案するの勉強になった。お客さんの゙気持に寄り添える営業になりたいなら2024/08/15