内容説明
「透明社会」は「管理社会」に転化する――
「透明性」というイデオロギーの哲学的解剖
哲学・現代思想・メディア論を行き来する俯瞰的視点と、現代社会における「病理」の巧みな観想的「時代診察」で、ドイツ現代思想界を牽引するビョンチョル・ハン、恰好の入門書。ハンの著作リスト含む訳者解説収録。
ベンヤミン、ボードリヤール、ロラン・バルト、アガンベンらの思想を拡張し、高度情報化社会における新たな「暴力の形態」を探る現代管理社会論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
endormeuse
7
いかにも西洋モダニストっぽいコンベンショナルな後期近代批判(の現代文化への適用)という感じがしなくもないものの、やたら断定的なキラーフレーズを畳み掛けまくる文体がアジっぽくてかっこいいし、鍵概念をゴシックボールド(原文イタリック)にしまくる表現方法もモダニズム文学っぽくてかっこいいので、読んでいて割と楽しい。2021/10/31
Mealla0v0
5
丁寧な訳者解説と訳注が充実している。本書は、現在、透明性が公的領域を支配する原理となっており、透明性は否定性を排除した同質的な社会を作り出すように作用している、と主張する。ここでの透明性とは、汚職に対する透明な行政というような意味ではない。あらゆるものを露出させ、展示する。複雑性を排除し、情報とコミュニケーションの流通を加速し、注目資本を集めていく力学。それらの過程は透明であるがゆえに追跡され管理される。自由と肯定性が増大するほど管理社会化は進行する。2024/06/09
たー
4
私のような頭の悪い人間の読む本ではないようだ…。とりあえず透明社会はポルノグラフィックだぞと。2022/01/26
酩酊石打刑
4
「自由は管理であることが明らかになる」本書はこの言葉で幕を閉じる。 自由と管理については、長年考えていた。 青年期は現存する社会へ順応できるのかという恐れが、自由への強い希求に繋がっていた。 少し年をとってからはこのシステムから跳ね飛ばされるのではないかという不安が、管理への関心へとなった。現在進行している先進諸国での複雑で多層的な問題を、独自のキーワードをもとに読み解いてくれる。十分に理解できたとは言えないが、勝逃げと揶揄される老人の現在の世界像を構築するにあたってのヒントを貰ったような気がする。2021/12/15
Go Extreme
2
私は、他人が私について知らないことがあるおかげで生きていける 肯定社会 展示社会 エビデンス社会 ポルノ社会 加速社会 親密社会 情報社会 暴露社会 管理社会2021/11/12
-
- 電子書籍
- 治癒魔法の間違った使い方 ~戦場を駆け…
-
- 電子書籍
- ラグナドール 妖怪だらけの異世界で迷子…
-
- 電子書籍
- みだらな御曹司に愛でられちゃう プチキ…
-
- 電子書籍
- レイデ夫妻のなれそめ(単話版)第1話 …
-
- 電子書籍
- 週刊アスキー No.1139 夏休み欲…