筑摩選書<br> 闘う図書館 ──アメリカのライブラリアンシップ

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筑摩選書
闘う図書館 ──アメリカのライブラリアンシップ

  • 著者名:豊田恭子【著者】
  • 価格 ¥1,595(本体¥1,450)
  • 筑摩書房(2022/10発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 420pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480017581

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内容説明

格差の拡大に直面する現代社会において、図書館はいかなる役割を担っているのか。「無料貸本屋」と揶揄されるイメージとは異なり、移民受け入れや崩壊するコミュニティの再生、オバマケアの窓口、デジタル化の最前線と、様々な場面で民主主義の根幹を支える拠点となってきた。予算をめぐってトランプ政権と対立するなど数々の危機を乗り越え、理念と現実の狭間でもがくアメリカ図書館界の知られざる奮闘を活写する。

目次

序章 図書館がつくる民主主義
公共図書館の可能性
アメリカ図書館大会での衝撃
地域のファシリテーターとして
移民の窓口に
子供たちに議論の作法を教える
アメリカの図書館を支える仕組み
本書の構成
第1章 地域変革の触媒としての図書館
地域を触発する図書館構想
ニュース砂漠と地域社会の崩壊
「生涯教育」から「地域振興」へ
図書館への高い信頼
「支柱」としての博物館・図書館
大学と市民をつなぐ
ソリューションを地域に持ち込む
住民と行政をつなぐ
行政プロジェクトの連動
「公正」を目指す図書館の仕事
変わる図書館サービス
社会資本としての図書館
第2章 博物館・図書館サービス機構の誕生
連邦図書館法の成立
図書館サービス建設法へ
各地域へのサービスの広がり
図書館サービス建設法の発展
電子ネットワークの時代へ
商用データベースの発展
全米研究・教育ネットワーク構想
公共図書館のネットワーク構築
情報スーパーハイウェイ構想
教育省廃止問題
図書館サービス技術法案の作成
CRSレポート
法案の議会提出
図書館サービス技術法の成立へ
広範なネットワークの形成へ
予算拡大の要因はインターネット
第3章 インターネット時代の図書館
電話料金を標準化するユニバーサル・サービスの起源
情報スーパーハイウェイを作るのは誰か
誰もがインターネットにアクセスできる場所
デジタル環境をめぐる時代の緊張感
情報格差を生まないためのNII行動アジェンダ
「ライフライン」としての情報
デジタル化に関する緊急アンケート
「魚に電話はいらない」
マクルーアの両にらみの奮戦
図書館をユニバーサル・サービスの担い手に
「不適切なコンテンツ」への対策
学校・図書館向け割引制度「Eレート」の誕生
入札制度の導入
Eレートの絶大な成果
新時代の図書館の姿
強まる図書館界の政治力
第4章 博物館・図書館サービス機構の発展
博物館・図書館サービス機構の組織
三つの自由裁量事業
助成事業の高い競争率
初期の重点事業
ローラ・ブッシュと二一世紀図書館事業
アメリカ図書館協会への助成
アメリカ図書館協会との共同歩調
公共政策実現のモデル組織になる
政権と一体となって動く
オバマケア受付の窓口に
金融リテラシー教育への貢献
科学技術教育ブーム
次のレベルを目指して
他機関との連携事業拡大
計画から実施まで
小さい図書館にこそ助成を
第5章 国と地方をつなぐ州図書館局
州事業を取り仕切る州図書館局
州立図書館の歴史
州図書館局の誕生
脚光を浴びる州図書館局
州ごとに多様な図書館運営
州図書館局長会議の発足
ステート・ライブラリアンの誕生
全米情報基盤への参画
州内の図書館をつなぐネットワークの構築
二一世紀の図書館
図書館界の異端児、時代の最先端へ
全国調査の始まり
商用データベースを格安で契約
広がる州の格差
公共図書館予算への影響
第6章 トランプvsアメリカ図書館
トランプ大統領誕生
IMLSの存続に向けて
大混乱の中での予算増額
政策部隊の発足
議員へのアプローチ
博物館・図書館サービス法再授権
三回目の閉鎖提案
地元を語れるライブラリアン
史上最大の予算へ
フリー・ワイファイの提供
コロナ禍での新しい図書館サービス
おわりに──アメリカのライブラリアンシップ
図書館の夢と現実
一九九〇年代の一大転機を勝ち抜く
アメリカのライブラリアンシップ
図書館に何ができるか
主要参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

koke

9
法律や組織の建付けなど細かい部分は流し読みになりましたが、アメリカの図書館、ライブラリアンが高い志とプライドをもって取り組んでいることがよくわかりました。ネットワークを作り、成果を上げ、また成果をアピールするか、どれも難しいことだろうにいかにして達成することができたのか、細かいプロセスも書かれていますが不思議でした。2023/12/27

スターライト

7
アメリカのライブラリアンが民主主義の砦としての図書館を戦後どのようにして充実させてきたかを6章に分けて言及。博物館・図書館サービス機構(IMLS)が推進している「図書館を地域変革の触媒とするプロジェクト」の解説に始まり、連邦図書館法の成立事情とその効果、電気通信法の改正、中央と地方をつなぐ役割としての州図書館局の機能などがライブラリアンの息遣いまで伝わるような筆致で展開されていく。予算獲得のための緻密な作戦と行動など、タイトルにあるように”闘う”図書館の姿には感嘆の他はない。2023/02/20

たろーたん

5
アメリカの図書館が取り上げられているが、図書館員が料理教室やディベートの作法を教えたりしているというのにまず驚きだった。どうやら地域コミュニティの連帯や活性までやっているらしい。また図書館について語る大会もあるらしく、発表者が随所で「私たちライブラリアンは……」と言うらしい。「ライブラリアンってどういうこと?」とその熱量やスケールの違いから、ネットで調べてみたら、どうやら日本の公民館の機能が図書館にドッキングしているようだ。本を借りる場所じゃなくて、地域社会にアプローチする場所として機能しているみたい。2023/05/03

yurari

5
アメリカでは博物館・図書館サービス機構(IMLS)が1996年に創設された。IMLSは博物館・図書館に関わる連邦政策の方向性を示し、全米の図書館に資金供給をしている。また博物館・図書館を対象に直接公募事業を行い、モデル事業の育成も手掛けているとのこと。予算獲得のためには政治力が必要だが、日本にはロビイング文化が根付いていないから難しそう。しかし戦略と予算がないと有意義な施策は打てない。地方自治体に戦略策定から予算のやりくりまでを任せていては現状維持しかできないだろうな…。アメリカは進んでいる。/2023/02/05

ミガーいち

4
アメリカの図書館が日本の図書館とは違うことがわかった。星42023/02/10

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